2014.05.05up
 
それはHWEフルコースだった
 
第34回定期演奏会プログラム

【第一部】
・ヤン・ヴァンデルロースト 「フラッシング・ウインズ」
・酒井格 「たなばた」
・ティモシー・マー 「エブリデイ・ヒーロー」
【第二部】
・アルベルト・ヒナステラ / 仲田守 「エスタンシア」
・ポール・デュカ / フランク・ウィンターボトム 交響詩「魔法使いの弟子」
【第三部】
・マヌエル・デ・ファリャ / 保科洋 バレエ音楽「三角帽子」より
アンコール
・アルフレッド・リード 序曲「春の猟犬」

ある意味、フルコースの料理にちょっとしたオプションをつけた、といってよいほどのボリュームあるプログラムでした。

しかしながら、HWEの味を慕ってやってきた客にとっては、それこそが所望の料理であったのかと思う次第です。

管理人の特に印象に残った楽曲について少しだけ書かせてもらいます。

第一部「たなばた」
柔らかな木管が印象的で、強弱のメリハリにかなり気を遣っているように感じられました。

全体としても当然のことなのでしょうが、ダイナミクスの出し入れ・バランス・シンクロ感といった、音楽に不可欠な要素を地道に大切にしているHWEのサウンドの縮図がこの曲に体現されているように思えました。
 


昨春の定演で初舞台を経験した今井佳奈子先生。今回はその経験もあり、会心の指揮だったのでは?
 
第二部「魔法使いの弟子」
HWEの高い解釈力が結集された楽曲だったのでは。

極限までためた音を乱暴にではなく、コントロールした息遣いで出しつつ、それでも尚、音に開放感があるという...

また、低音が中心となる部分もひじょうに絵画的で印象に残りました。

指揮をされた今井佳奈子先生にとっても会心の演奏だったのではないでしょうか。
 

  
開演前、幕の間に行われたアンサンブルの演奏
 

第三部「三角帽子」
大胆に言ってしまえば“うねり”と“ひらひら”でしょうか。

今回の定演のみならず、管理人が新倉徹也先生にずっと感じている『煽情的ブラス』に加え、軽やかに階段を上ってゆくようなイメージ、さらにはスピードとダイナミクスの変化にキレがあり、その演奏にHWEの目指す方向性があるのかと思わせるものでした。

もちろん、高いシンクロ性を保ちつつ、劇的な盛り上がりも欠かさないという、メインディッシュの要素をふんだんに取り入れた〆に相応しい演奏でした。

アンコール「春の猟犬」
卒業してゆく3年生たちもたくさんステージに上がり、大人数での演奏は迫力がありました。


  
  
 
いつもながら、音楽は世界を繋ぐ、ということですね。
仮引退していた卒業生たちも、楽譜があり、楽器があればステージに戻ることが出来るというのは素晴らしいことです。

HWEを巣立っても、続けられる環境のある人は、是非音楽を続けていって下さいね。
音楽こそは世界の言語ですよ。

では、夏のコンクールに向けて、今年も頑張って下さいね。