高校A 2013.07.26up 高校B 2013.07.27up
 
高校B部門 藤沢総合と慶應湘南が県大会へ
 
26日、ある意味でA部門よりもドキドキ感のあるB部門。

A部門同様、6チーム中2チームが県大会へ。

B部門結果(目視での演奏者数とコントラバスの本数)と各バンドへの感想、ならびにA部門各バンドへの感想を書かせてもらいますね。
 
【B部門結果&管理人コメント(出演順)】

寒川 銀賞(演奏者数22名 CB:1)
 エアロダイナミクス(D.R.キリングハム)

昨年まで指揮されていた岡田さんに替わり、学生指揮で臨んだ寒川。
どこまで頑張れるか、ハラハラドキドキしましたが、前半の弱奏部でやや不安な感じがした箇所はあったものの、後半部ではダイナミクスも十分出ており、鍛錬を積んでいることを示す演奏だったと思います。
この過渡期と言える時代を、苦悩しながらも何とか乗り切ってもらいたいと切望します。

茅ヶ崎西浜 銀賞
(演奏者数14名 CB:0)
 レッド・ライン・タンゴ(J.マッキー)

本日最も感動した演奏でした。
14人というのは吹奏楽団としては少ないことは否めないのでしょうが、この人数でも「らしさ」を引き出す楽曲を選択し、手持ちのカードをうまく、思い切りよく切っていこうという意図があれば、十分伝わる音楽を奏でられるものだなぁ、と感心しました。
ドラムセットをステージ中央に配し、楽器の持ち替えをするプレーヤー数名。
これはビジュアル的にも楽しかったです。サックスソロの頑張りも目を見張りました。

アレセイア湘南 銅賞(演奏者数23名 CB:0)
 死者の支配する国〜崇高なる光に包まれて(八木澤教司)

打楽器群のセッティングにやや焦りがあったのかと、気の毒に思いましたが、どうだったのでしょうか。
演奏は音の表情を出そうという姿勢が感じられるもので、特に後半、曲調が転じたあとの盛り上がりには将来性を感じました。

湘南学園 銅賞(演奏者数20名 CB:1)
 百年祭(福島和弘)

ステージの右側にメンバーが寄っている印象の配置で、ビジュアル的には(というか、管理人的には、と言うのが正しいか)それだけでもう十分という感じでした。
後半のトランペットのツイン(という言い方でいいのかしら)から金管が丁寧に音を重ねようとする演奏は好感が持てました。
管理人メモには「優しい朝のイメージが伝わる」とあります。

藤沢総合 金賞(演奏者数30名 CB:1)
 「ダフニスとクロエ」第2組曲(M.ラヴェル)

昨年、管理人に大きな衝撃を与えた藤沢総合。
今年は開始前から期待値が高くなるのは致し方ないところです。
そしてその期待を裏切らない素晴らしい演奏でした。
特にダイナミクスの激しい変化を伴いながらも、けして雑な演奏にならず、細かな指使いもしっかり出来ている印象でした。
それぞれのプレーヤーが思い切りよく演奏しているのもよく伝わるものでした。
県大会では、さらに成長した演奏で「湘南地区に藤総あり」を見せてきて下さい。

慶應湘南藤沢 金賞(演奏者数30名 CB:0)
 喜歌劇「メリー・ウィドウ」セレクション(F.レハール)

安定した音出しから、一つ一つの音を丁寧に丁寧に、という姿勢が窺われました。
また、しっかりとタメを作る、という意図も十分に伝わりました。
楽曲の持つ表情をよく掴んで、何枚かの絵で1つの物語を作って伝えようという解釈力の高さも垣間見える演奏でした。
 
藤沢総合は期待に違わぬ素晴らしい演奏で、今年は県大会出場を勝ち獲りました。

また、慶應湘南は昨年度A部門での銅賞から、一気に金賞&県大会という大ジャンプを見せてくれました。

両チーム関係者の皆さん、おめでとうございます。

県大会でも湘南地区代表として、素晴らしい演奏をお願いします。
 
【A部門管理人コメント(出演順)】
 
日大藤沢

難解な現代音楽風の課題曲Xをしっかり演奏し、昨年以上の成績(昨年は県大会出場)を目指しているという意欲が伝わるステージだったと思います。
一転メロディアスな始まりの自由曲でのスピード感・シンクロ感も素晴らしく、楽曲が描こうとする情景をひじょうによく理解できている印象でした。
演奏後の立ち方も綺麗で、金賞でもよかったのでは?と思いました。

茅ヶ崎

課題曲では全体の音の層がやや薄い感じもしましたが、途中からはまとまりも出てきて安心して聴けました。
超ポピュラーな自由曲では、吹奏楽でありながら、あたかもパイプオルガンのような、また、あたかもストリングスのような音色で哀愁を醸しだしていました。
音が途切れず、重なってゆく様は新茅高サウンドと言ってよいのではないでしょうか。
指揮者の内川さんにこれからも是非頑張ってもらいたいと願います。

鶴嶺

昨年B部門で県大会に行き、あと一歩で東関東大会、というところまで到達した鶴嶺。
かつてBからAへと鞍替えした時は、音が収縮した感がありましたが、今年は金管のシンクロ性が非常に高く、大きな音回しが出来ている印象でした。
自由曲では打楽器群が要所を締め、コントラバスのバチッと音を出す演奏法(何て呼ぶものか、誰か教えて下さい)など、音楽的冒険も感じさせてくれ、楽しくもありました。
全体としてはクリアな輪郭の音が外に向かって出ていて、クオリティの高い演奏だったと思います。

北陵

課題曲は始まりからMAX感があり、高いテンションと一体感を聴く者に感じさせるものでした。
管楽器のうねり感・煽情的音の発信は管理人のストライクゾーンでした。
また、自由曲では「小動物がチョコチョコ動く感じ」(あくまで管理人の感性による)が心地よく、ホルンソロ(たぶん)からの緩やかな流れも秀逸でした。
管理人的には金賞かと思っていたのですが...

藤沢西


北陵と同じ課題曲でしたが、藤沢西の方がカチカチ決まるイメージでした。
A部門は同じ課題曲を演奏するチームが必ずあるので、それだけでも楽しいですね。
勿論、楽譜にあることなのでしょうが、自由曲ではくさりと思しきものを板の上でザクザク鳴らすという演奏が印象的でした。
「走れメロス」という物語を知っているだけに、『今のところは燃える夕陽に友情を誓う場面か?』などと考えられ、楽しく聴かせてもらいました。
こういう選曲をしてくれる学校がもう少しあると嬉しいのですが。

湘南

正直に言うと、昨年の湘南は技巧が前に出過ぎたきらいがありましたが、今年はひと味違う印象でした。
おそらく全体図の中に於ける場面場面の存在価値を高いレベルの解釈力で理解し、それを音粒に変えてゆく、という作業に時間と労力を掛けたのではないかと想像します。
サックスソロが「立ち上がって」 演奏する、というのは指揮者の山下さんのサービス精神の表れなのかもしれないのですが、湘南らしいお茶目なビジュアルで、嬉しかったです。
最後は2つの曲が1つにまとまってゆくというような倒錯感があり、楽しませてもらいました。
 
出場チームの皆さん、お疲れ様でした。

上のステージへ進めるチームには限りがありますから、結果だけでなく、ここまでに至るあらゆることを宝物として、胸にしまっておいてもらいたいと願います。

管理人は音楽に癒され、音楽に励まされます。

来年もまた聴きに来られることを切望しています。

最後に、代表となったチームの皆さん。
他校の人たちより少し長く夏を謳歌し、解釈力や演奏スキルを上げて、県大会に臨んで下さい。

今、とても伸びる時期なのだと確信しています。

素敵な夏を過ごして下さいね。
  
26日は中学A部門も行われ、大盛況。高校Bも開場前は市民文化会館のドアの外までお客さんが長陀の列

高校A部門 鶴嶺と湘南が県大会へ
 

25日、管理人はめちゃめちゃタイトなスケジュールになってしまい、高校A部門についてはまさしく「速報」のみの掲載となってしまうことをご容赦下さい。

部員数の増減によって、毎年A部門に出場する学校の顔ぶれが変わりますが、今年は昨年B部門で県大会へ出場した鶴嶺高校がAに進出。
どのような演奏になるか、期待されていました。

結果は以下の通りです。
[出演順]

 
日大藤沢 銀賞
 課題曲X 流沙(広瀬正憲)
 自由曲   マードックからの手紙(樽屋雅徳) 

茅ヶ崎 銅賞
 課題曲W エンターテインメント・マーチ(川北栄樹)
 自由曲  トッカータとフーガ ニ短調(J.S.バッハ)

鶴嶺 金賞
 課題曲U 祝典行進曲「ライジング・サン」(白岩優拓)
 自由曲  交響組曲「高千穂」より T(河辺一彦)

茅ヶ崎北陵 銀賞
 課題曲T 勇者のマズルカ(三澤慶)
 自由曲  ルイ・ブルジョアの賛歌による変奏曲(C.T.スミス)

藤沢西 銀賞
 課題曲T 勇者のマズルカ(三澤慶)
 自由曲  交響的詩曲「走れメロス」(福島弘和)

湘南 金賞
 課題曲X 流沙(広瀬正憲)
 自由曲   エスカベイド(J.T.スパニョーラ)
 
各校の演奏については明日以降述べさせて頂くようにしますね。

どの学校も素晴らしく、この中から2校だけを選ぶという作業は難しかったことと想像します。

鶴嶺・湘南関係者の皆さん、おめでとうございます。

県大会での健闘をお祈り致します。
他校の分まで頑張ってきて下さい。

本日(26日)はひとまず、ここまでと致します。

B部門へもお伺いする予定です。

参加校の素晴らしい演奏を期待していますね。