2011.04.10up
|
あの時はね... |
|
|
特設ステージ |
“夢笛管隊”には隠し財産があった! 写真を見てもらえれば一目瞭然なのだが、ビニールシートを敷き詰めた体育館の床の上に都合三段のステージを“建設”し、体育館のステージと合わせて舞台が整えられていた。 オペラなどでやや窪んだ場所(ピット)にオーケストラがすっぽり収まっているのと似ている(...似てないかも)。 演奏が終わった後、部員たちがバラして倉庫へ運んでゆく様を見て、「なんか、いいなぁ」と感じた次第である。 ステージそのものも財産ではあるが、それを自分たちで組み上げ、その上で演奏した定演は部員たちの大切な財産となることであろう。 |
|
西日楽団?演奏も頑張る |
管理人は“夢笛管隊”の名付け親である。えっへん! ところが、である。 今回の定演を見ていて(聴いていて、ではなく)『藤沢西日オーケストラ』への改名もアリかと思うほどであった。 写真を見ると午後3時頃の体育館内の光の具合がわかる。 部員たちは眩しくなかったのかな...? |
だから、どうだということもないわけだが... 肝心の音楽についても言及せねばなりませんね。 正直、体育館ということで音が上の方に抜けて、ぐわんぐわんするのではないかと危惧していたのだが、意外なことに(?)前方に向かうのがわかった。 当然、演奏者たちはそういう意識もしたのだろうが。 プログラム(こちらをどうぞ)はバラエティに富むもので、全10曲。 このうち特に印象に残ったものについて書きますね。 ■ホルジンガー作曲「スクーティン・オン・ハードロック」 管理人は無条件にホルジンガーファンである。 ホルジンガーの曲を聴けば、「これってホルジンガーが作ったんじゃないの?」とだいたいわかる。 (あくまで、だいたい、ですが) 中でもこの曲は好きな曲の1つで、“夢笛管隊”はこの曲の演奏に余裕を感じさせる。 まとまり感もあり、ダイナミクスレンジの広さも素晴らしかった。 ■リード作曲「第5組曲」 指揮の丸山先生(通称・透ちゃん)はどうやらリードはあまり好きじゃないらしい。 にしては、木管の柔らかく、包むような音をうまく引き出していた。 管理人は木管が優しい音を奏でてくれると、それだけでちょっと幸せになるようだ。 ■メンケン作曲「魔法にかけられて」 最初の音出しから「おっ、こりゃいいね」と感じられる曲だった。 音の広がりとメリハリがあり、吹き出しに思いきりのよさと余裕が感じられた。 エンディンクもキレがよく、秀逸だった。 ■ネスティコ作曲「キャラバン」 村松達之さん(通称・達人)のドラムソロの気迫たるや... そして、その達人に負けじと打楽器群が参加しての演奏は背筋が痺れた。 トカレフさん(通称・トカちゃん)のトランペットも突き抜ける...。 少年が一人、達人のバチ捌きを食い入るように見ているのを管理人は見逃さなかった。 その瞬間に未来のミュージシャンが誕生したかもしれないのだ。 ■久石 譲「ハウルの動く城」 ダイナミクスを保ちつつ、抑制感もある誠実な音出しをしているのが印象的であった。 このような演奏を地道に続けてゆくことで、将来このバンドのブレイクが約束されると感じさせるものだった。 |
|
左)MCも丸山先生が 中)トカレフさんのトランペットソロ 右)達人の炸裂ドラムとうろでトランペットを吹くトカちゃん&達人ジュニア |
丸山透先生が赴任して一年。 “夢笛管隊”としての最初の定演は、記念すべき体育館ライブであった。 演奏者とお客さんの距離は異様に近い。 一般的な定期演奏会では考えづらいシチュエーションではあるが、これを“夢笛管隊”の『原点』として、これからの演奏活動を続けてもらえれば、と祈念します。 今度は新入生を含めたメンバーでお会いしましょう。 お疲れ様でした。 |
|
=第一部= 南風のマーチ(渡口公康) スクーティン・オン・ハードロック(D.ホルジンガー) パガニーニの主題による幻想変奏曲(J.バーンズ) =第二部= コンサート・エチュード(A.ケディケ) トランペットソロ アレクセイ・トカレフ 詩的間奏曲(J.バーンズ) 第5組曲(A.リード) =第三部= 魔法にかけられて(A.メンケン) アマデウス、浮かれる!(真島俊夫) キャラバン(S.ネスティコ) ドラムス 村松達之 ハウルの動く城(久石 譲) |
左)終演後のトカちゃん&透ちゃん 中)達人ジュニア 右)定演後の体育館前の風景。雨でちょっと花びらが散っていたのが印象的 |