高校B部門2014.7.31up ◆高校A部門2014.7.30up

B部門:自信を深めた藤沢総合・慶應が昨年に続き県大会へ
 
 
第15回湘南吹奏楽コンクール B部門 結果
 
西浜 金

湘南学園 銀

藤沢総合 金[県大会出場]

アレセイア湘南 銅

寒川 銀

慶應湘南藤沢 金[県大会出場]

藤嶺藤沢 銅

 
A部門とは違い、自由曲一発勝負のB部門は人数の少ないバンドもあり、彼らがあたかも自分の子供であるかのように、気持ちの中でひたすらエールを送っているような状態にもなりました。

昨年から大きく成長したバンドの演奏は聴いていて、とても嬉しかったですし、30人弱でもこんなに音を広げられるものかと感心したバンドもありました。

できればもっと多くの学校に参加してもらいたいと願っています。

では、昨日のA部門に続いて、各バンドへのコメントを書かせてもらいますね。

 
各校の演奏について、管理人が印象に残ったことを書かせてもらいます。
(部員数・男子数は管理人目視によるもので、違っていたらゴメンなさい)
 
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西浜 17人 コントラバス0 男子2
ブルー・シェイズ[ティケリ]

ベースはないが、低音がしっかりと聞こえ、音数が少ない場面でもしっかりとした背景音が築かれている。
昨年は14人という少人数ながら、明確な進歩を見せてくれた西浜。
今年はついに2005年以来の金賞を獲得した。
今年は打楽器・金管がしっかりと音を出そうという意志が見え、聴いていて絵が広がってゆく気持ちになった。
かつて(2006〜2007年)の藤沢西高校の“煽情的ブラス”を彷彿させるかのような、人の気持ちを引きずってゆく管楽器群は特筆ものだった。
指導者の方々の努力が窺われます。
これを機にもっと部員が増えるといいですね。
次回は県大会を期待しています。

湘南学園 22人 コントラバス0 男子1
序曲「サーリセルカの森」[高橋宏樹]

管理人のストライクゾーンにビタッとくる選曲と演奏だった。
低音部の頑張りが光り、特にシンバルがバランスを保ちつつ、効果的であった。
何しろ、終盤の方で繰り返されるメロディアスなテーマ部分がまろやかに奏でられ、管理人は泣きたいような気持になった。
コンクールではこういう演奏を聴きたいと願っているような演奏で、来年は期待大かと。

藤沢総合 28人 コントラバス2 男子6
斐伊川に流るるクシナダ姫の涙[樽屋雅徳]

左右広くステージを使い、ステレオ感の高い演奏で、ライブ音楽を聴く楽しさを伝えてくれた。
どうやらこの楽曲はヤマタノオロチをスサノオが倒し、美しい娘クシナダをお嫁さんにするというストーリーをモチーフにしているとのことで、強い酒を飲まされてオロチが暴れる場面も想定されていたのだろう。
管理人は、実際に聴いている時にはそのことを知らなかったのだが、必殺「取材ノート」に『龍が暴れる如き』と書いてあり、藤沢総合の演奏が作曲者の意図もきちんと伝える演奏になっていたということだろう。
本当にストーリー性の高い演奏だった。
県大会でも頑張ってきて下さい。

アレセイア湘南 21人 コントラバス0 男子4
吹奏楽のための音詩「輝きの海へ」[八木澤教司]

木管の半音進行が効果的に局面を繋ぎ、金管が平穏な田園風景を想起させるような柔らかい音色を八木澤節に乗せて、管理人の好きなメロディアスで優しい演奏になっていた。
また、打楽器群が徐々に盛り上げる終盤は、十分に練習の成果が出ていたのではなかろうか。
アレセイアがステージに上がったあと、客席で急病人が出た(?)らしく、しばらくの間待たされたのは、気持ちを保持するという点で、やや可哀想であった。

寒川 28人 コントラバス0 男子6
吹奏楽のための神話〜天の岩屋戸の物語による[大栗 裕]

昨日のA部門藤沢西と同様、コンクールでやるにはかなり大胆な選曲だったように感じたが、クラリネットと打楽器の掛け合いによるおどろおどろした表現は絶妙でもあった。
打楽器の強弱が全体をコントロールしつつ、一気にバンド全体が壁を突き破るような演奏は、スリル満点であった。
演奏している彼らのうしろにゴジラの映像などが映し出されていれば、相当レベルの高いBGMになっていたはず。

慶應湘南藤沢 30人 コントラバス1 男子6
アルプスの詩より X,Y,Z[チェザリーニ]

ライトが灯った瞬間、ステージの後方左右の端にホルンが1人ずつ立っているのを見て、絵的にも気持ちをくすぐられた上、それが出だしの“アルプスの音”を奏でるに至り、楽曲の世界観へ引き込まれた。
演奏に自信が感じられ、丁寧に音を重ねようという意志がよく伝わる演奏であった。
丁寧に音を重ねるというのは、出来そうで、なかなか出来ないもの。
今確認したら、去年も同じようなコメントを書いていたことが判明。
でも、2年連続でそう思わせる演奏だったということは、最早それが慶應のDNAになりつつある、ということだろう。
県大会でも湘南地区の代表として、今日を上回る演奏をしてきて下さい。

藤嶺藤沢 5人 コントラバス0 男子5
For Five![河野亮介]

ステージに登場したメンバーを見て、楽曲の意味が氷解した。
5人しかいないため、それぞれの音がむき出しとなるが、彼らは出来る限り淡々と、しかしバランスを保ち、シンクロ性を高めようと必死の演奏である。
管理人もあまりに真剣に聴いてしまったため、ずっとテーマ部分が頭の中でリフレインしている。
どうせならアンコンにもおいでよ。

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この2日間、AB両部門を通じて、やはり音楽の持つ力の大きさを知ったわけでした。

そして、コンクールに参加した人、裏方をやった人、指導された皆さん、さらには聴きに来た人たち。

お疲れ様でした。

上のステージに臨む人は、せっかくなので、最大限自分の力を伸ばして下さい。

P.S.
慶應が使っていた「ホースを巻き取るような輪に箱がついているような楽器」の名前がわかる人がいましたら、教えて下さいませ。

あれ、楽しそうですね。

いや、何となく管理人にも出来るかなぁと思ったものですから...

 
 

A部門:昨年同様,鶴嶺と湘南が県大会へ
 
暑く、そして熱い一日でした。

A部門への参加校と県大会への出場校は昨年と全く同じだったのですが、 結果が発表されるまで、どこが県大会へ進むのか、予断を許さない状況となりました。

昨年以上に僅差だったように思います。

管理人は例年通り「独自採点表」をつけていましたが、部活ネットでコンクールを聴かせてもらうようになって以来、初めて結果的に金賞を獲った4校のうち、3校が同点(40点満点で35点)だったので、思い悩みました。

6チーム中最後に登場した湘南は、ここ数年の湘南吹奏楽コンクールでは一番と思える出来だったので、2番手がどこになるのか、どのチームもドキドキしていたのではないでしょうか。

県大会出場となった鶴嶺・湘南両校関係者の皆さん、おめでとうございます。

惜しくも県大会へは届かなかった4校の皆さん、残念でした。

でも、しっかりと聴かせてもらいました。

素晴らしい演奏をありがとうございました。

30日のB部門にもお邪魔する予定です。

出場する皆さん、裏方でのお手伝いの皆さん、頑張って下さいね。
 
第15回湘南吹奏楽コンクール A部門 結果
 
茅ヶ崎:銀

日大藤沢:金

鶴嶺:金[県大会出場]

北陵:金

藤沢西:銀

湘南:金[県大会出場]


各校の演奏について、管理人が印象に残ったことを書かせてもらいます。
(部員数・男子数は管理人目視によるもので、違っていたらゴメンなさい)

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茅ヶ崎 37人 コントラバス2 男子2
◆課題曲V・・「斎太郎節」の主題による幻想[合田佳代子]
◆自由曲・・・シンフォニックバンドのためのバッサカリア[兼田 敏]

金管が柔らかい音を出そうとしている意図が伝わる好演奏だった。
また、課題曲の始まりや自由曲の中盤ではダイナミクスを上げようという明確な意志も感じられ、弱奏部では抑制を利かせつつ、音を遠くへ伝えようとする姿勢もあった。
指揮者が替わり、最初のコンクール、しかもトップバッターということもあり、緊張もあったろうが、これから茅ヶ崎高校が目指す方向性は出せたのではないだろうか。
指揮の藤原みなみさんと茅高吹奏楽部のこれからに大いに期待しています。

日大藤沢 51人 コントラバス3 男子5
◆課題曲U・・行進曲「勇気のトビラ」[高橋宏樹]
◆自由曲・・・バッハの名による幻想曲とフーガ[リスト]

課題曲・自由曲ともに安定感抜群でしっかりしているという印象が強い。
課題曲のリズムや自由曲の劇的音量変化は聴いていてとても気持ちがよかった。
思うに、バンドの特性と選曲がひじょうにうまくマッチして、その潜在能力も含めて、よく発揮されていたのではないだろうか。
特に場面転換前のブレイクと、その後の静寂からそれを打ち破る巨大ダイナミクスのコントラストは聴いていて鳥肌が立った。
終盤のシンクロ性も見事で、管理人はこの段階では日大藤沢が県大会に王手を掛けた、という感じがした。

鶴嶺 42(48?)人 コントラバス3 男子7
◆課題曲U・・行進曲「勇気のトビラ」[高橋宏樹]
◆自由曲・・・地獄の踊りより T,U,W,X[ピクール]

課題曲を聴いていて、人数的に日大藤沢より少ないこともあってか、当初全体的なダイナミクスが小さいかのように感じていたが、ものすごく丁寧に、柔らかく丸く仕上げていることが理解される。
そして、ピッコロソロのところが踊り出すようで、とても楽しく聴かせてもらった。
自由曲は魂を根こそぎ持って行ってしまいそうな音量変化で、特に打楽器がそれを支えながら、管楽器とのシンクロ性も同時に達成するという感動的な演奏で、エンディングの唐突感もとても面白かった。
勝負の行方がわからなくなってきた。

北陵 55人 コントラバス2 男子6
◆課題曲U・・行進曲「勇気のトビラ」[高橋宏樹]
◆自由曲・・・バレエ組曲「エスタンシア」より[ヒネステラ/仲田 守]

日大藤沢・鶴嶺に続き課題曲がUだったので、その比較はとても楽しめた。
北陵は敢えて、抑えめでスタートしているような印象で、それがピッコロソロのところでの絶妙のバランスになって現れたように感じた。
ずっと聴いていると、運動会のBGMとしても相当使えるという印象で、鶴嶺ともまた違うワクワク感があった。
自由曲でも“抑制⇒バランス⇒爆発”という展開は聴いていてスリルがあり、左右からの音の掛け合い、クライマックスに向けての盛り上がり感に加え、トランペットパートが楽器を持ち替えての演奏はビジュアル的にも管理人には楽しく、さらに勝負の行方がわからなくなった。

藤沢西 35人 コントラバス1 男子4
◆課題曲U・・行進曲「勇気のトビラ」[高橋宏樹]
◆自由曲・・・トセゥジエム セリエ アルモニク「調和級数」[天野正道]

課題曲については人数の関係か、音量が大きくなりきれないところもあったが、逆にそれはまとまり感を醸し出すことに繋がっていた。
自由曲は既に部活ネット『夢笛管隊』のページでお知らせした楽曲だったわけですが、めちゃめちゃ面白い演奏だった。
さすが、指揮の丸山先生が「管理人さんが気に入るはず」と太鼓判を押すだけのことはありました。
楽曲始まりはホラー映画を思い起こさせるような恐さを打楽器群が支える印象で、素早いフレーズが高いシンクロ性を伴って、闇をつんざく。
ジャジーな半音進行とダイナミクスの上げ下げは見事で、ブレイクもまさに好みだった。
終盤の立ち上がってのソロもビジュアル的にも楽しかった。
ちなみに、管理人の後方で聴いていた二人の女の子(たぶんどこかの吹奏楽部員)が「この曲絶対やりたいよね。かっこいいよね」と言ってました。

湘南 54人 コントラバス2 男子8
◆課題曲T・・最果ての城のゼビア[中西英介]
◆自由曲・・・ウィンドオーケストラのためのマインドスケープ[高 昌帥]

課題曲はここ数年「X」を選ぶ傾向にあったが、今年は「T」を選択。
他校が選曲したUVに較べると、それでも攻撃的(?)な印象もあり、さすが湘南であった。
ゆったり流れてゆく箇所の抑えた演奏は、自由曲への序章にもなっており、大きな絵が描けている印象であった。
指揮者が替わったのだから、当然のことかもしれないが、自由曲の選曲もちょっと方向転換した印象を持った。
何しろ、メロディアスな楽曲だったのだ。
瞬間、ブレイクする場面からダイナミクスが大きく揺れ、尚且つ弱奏部でも背後に薄くひそめた息のような音を残しつつ、次なる仕掛けに余念がない。
隙のない演奏でありながら、木管は泣けるような優しいメロディを奏でる。
クライマックスでは、金管を中心に“遠くへ届く”ような音出しで、感動的な演奏だった。
正直、ここまでやってくれるとは、という気持ちになった。

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A部門総括
 
今年は6校中、4校が課題曲にUの“行進曲「勇気のトビラ」”を選んだため、その聴き較べが出来て、とても楽しかったです。

同じ楽曲なのに、このバラエティ!

各バンドの目指すもの、指揮者の意図が感じられ、それだけでも来た甲斐がありました。

これは自由曲のみのB部門とは一番違うところですね。

また、どのチームも“弱奏部への気遣い”や“金管で優しい音を出す”という気持ちが感じ取れ、音楽を壊さないという意識が嬉しくもありました。

技術的に細かなことはわかりかねますが、50人前後が一斉に音を出し、それが混ざってきれいな音楽として聴く人に届けよう、という作業をきっちりやった人は、それだけで将来生きてゆく上での財産を得たことになると思います。

音楽そのものを捨てたりしないで。

共同作業をした経験を忘れずに。

これで引退となる人もいるのでしょうが、たまには楽器に触れてくださいね。