12年振りに訪れた秋葉台体育館。管理人は再び彼らの演奏に気圧された
 
レポートをアップするのに長い時間掛かってしまい、申し訳ありません(^^ゞ

昨年藤沢西高校から湘南台高校へ異動された、顧問の丸山先生からご招待頂き、3月28日(日)秋葉台体育館を久しぶりに訪ねました。
この体育館に来ること自体、2009年の同時期に湘南台高校吹奏楽部発表会を取材しに来て以来のことでした。

※当時の取材後にアップした記事はこちら


2008年定期演奏会特集  
2009年グランプリ受賞報告会

 


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湘南台高校吹奏楽部に私が興味を持ったのは、実は偶然でした。

2007年のことでしたか、別の部活の取材に訪れていた帰路、とあるグラウンドで、激しく腹筋運動をしている一団に遭遇しました。

その風情は高校生っぽいけど、服はバラバラだし、部活動なのかどうかすらわからなかったので、思い切ってその中の一人に尋ねてみると「湘南台高校の吹奏楽部です」と。

一瞬「えっ?」と言葉を失ったのを覚えています。

そもそも当時の私の知識では、吹奏楽部の部員が屋外で体を鍛えるという目の前の事実が受け止められなかったわけです。

しかし、後日体育館で顧問の羽場先生の解説を聞かせてもらいながら、実際の練習風景を見て、合点がいきました。
「こりゃ並の運動部よりも体力が必要だ」

彼らはその時既に日本のトップクラスにあったわけですが、地道な体幹づくりもけして疎かにせず頑張っていたのですね。

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そんなことを思い出しつつ、この日の彼らのステージを観させてもらいました。

で、言葉を使って仕事をしている身としては、ある意味最低ですが、「カッコいい」のひと言に尽きますね。
有無を言わせぬ音圧とシンクロ性。
気高く、美しい。

個人的には「ドラムメジャー」と呼ばれる指揮の女の子の動きに惚れ惚れしてしまったことを告白します。
喩えるなら『進撃の巨人』に登場する"心臓を捧げる"ポーズ。
めっちゃ男前でした。

楽器では打楽器群(ドラムセクション+フロントピット)に痺れました。
自分でも楽曲を作成し、アレンジした上、録音もしますが、常に打楽器に弱点を抱えているという自覚もあるため(簡単に言うと「センスがない」)、彼らの突き抜けるような音には憧れを超え、畏怖すら抱きました。

目測では打楽器だけで40人近くいて、体力・技術は言うまでもなく、彼らが日頃から鍛え上げた距離感・呼吸間隔・テンポといった要素が最大限研ぎ澄まされた演奏は、聴く者の魂を揺さぶる音量とバランス、シンクロ性です。

部員総数は約140名。
うち9割はマーチング初心者とのこと。
楽器そのものの経験者はかなりたくさんいるのでしょうが、座って吹くのとは明らかに違うものですし、カラーガードには運動部からの転向組も多いと聞きます。

高校時代のわずか3年間ですが、この集団に在籍し、大きな視点からマーチングを理解し、鍛えることによって、このレベルのパフォーマンスが出来るようになるわけですから、生涯の中でもとびきり濃い時間となりますね。

高密度の至福の時間は、彼らが大人になった時、より一層の力を与えることでしょう。
それを確信させるようなパフォーマンスでした。

※動画もお楽しみ下さい。 「こちら
 
【後日譚】

4月15日、湘南台高校を訪ねさせてもらいました。
仮入部の新高1の子たちを含め、元気にウォーミングアップをしているところに遭遇。

今年もたくさんの生徒たちが入部し、きっと濃い時間を過ごすことでしょう。
本当に表情がきらきらしていました。

「監督」の羽場先生は今年で湘南台高校に赴任されてから27年。
「部員は多ければ多いほどよい」と断言されています。
ただ、「寄る年波で全生徒の名前を覚えるのに時間が掛かるようになりました。何とか夏までには覚えたいと思っています」とのこと。
(よくわかります...)

またいずれ訪ねさせて頂きますね。
羽場先生・丸山先生、お元気でご指導続けられて下さい。