2017.07.10up

 ◇7/10 ◇7/16 ◇7/20
 
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鶴嶺高校,5年ぶりの4回戦進出。背番号1加部投手,3年目の正直
 
鶴嶺3−2藤沢総合
 
2017.07.20up
 
上記スコアは日刊スポーツweb版より拝借したものです
 
加部翔太郎。3年。右投右打。

彼は亀山監督からの期待も受け、1年夏から背番号をもらって、ベンチ入りしていた。

昨夏は背番号11ながら、初戦の先発マウンドを任されたが(詳しくはこちら)、立ち上がりに乱れることが多く、初回に2点、2回に1点を与え、無念の降板となった。

最終スコアが3−1だっただけに、余計彼にはこたえたであろう。

管理人はその経緯をすぐそばで見ていたから、この日の藤沢総合戦に於ける彼の完投勝利は我がことのように嬉しい。

実は、管理人はこの日も鶴嶺の応援に行く予定だったのだが、前日のゲリラ豪雨による停電のため、自宅PCに大問題が発生...
 
さらにその修理に勤しんだためか、自らの具合も悪くなり、早朝に応援を断念。

「何とか勝ってくれ」と願っていたので、結果には安堵した。

運よく加部くん本人と話が出来たので、試合のことや次戦に向けての抱負などを訊いてみた。

すると、一番ヤバかったのは得点を許した7回ではなく、初回の立ち上がりだったとのこと。

初球(ストレート)が外れたところで、捕手の仲川くんがマウンドに来て、「今日お前おかしいぞ。ボール来てないぞ」と語り掛けたそうだが、立ち上がりに難がある癖が出て、先頭を歩かせてしまった。

しかし、次打者の初球に一塁ランナーが仕掛けた盗塁を仲川くんが刺し、ようやく少し落ち着いてきたそうだ。

どんな試合にも流れはあるが、今年の鶴嶺はその流れを引き寄せる力のある選手を多く擁していると言えよう。

特に捕手の仲川くんとキャプテンでセカンドの窪田くんというセンターラインが強烈に機能している印象だ。

そのウラ先制すると、その後はストレートを捨て球にして、スライダーで押すピッチングで6回まで無失点。

7回にヒットと送りバントで作ったピンチに2連続のスクイズで失点するも、3年生でエースの背番号を背負うプライドで、1点差のまま最後まで投げ切った。

終盤どんな気持ちで投げていたのか尋ねると、「自分を信じるしかないと思って投げました」と即答。

この勝利は鶴嶺にとってはもちろん大きなものであったろうが、加部くん個人にとっても「人生、頑張っていればいいこともある」と思えるものであったに違いない。

「平塚学園は絶対に倒せないという相手ではないと思います。自分はリリーフに回ると思いますが、いつでもイケるようにしっかり準備したいと思っています。リリーフで立ち上がりが悪いというのはマズいですからね。」

次戦は第2シードの平塚学園。
客観的に見て、10回やったら9回負ける相手ではあろう。

しかし、勝てる1回を引き寄せるだけの力量と流れは出来ている。

応援に行けるよう、様々画策してみます。

茅ヶ崎勢最後の砦に期待しています。
 

2017.07.16up
 

 
鶴嶺高校野球部 部活ネット史上ベストゲーム

2017年7月15日 鶴嶺6−0瀬谷西

 

負けに繋がるピースは一つたりとも見受けられなかった。

投げては先発・柿澤くんのストライクを先行させ、打たせて取る小気味のいいピッチング。

そのリズムに反応するかのような、軽快なフットワークとグラブ捌きの内野陣。

打ってはキャプテンの二塁打を突破口とする先制、2年熊澤くんの三塁打が呼んだ相手バッテリーエラーによる追加点、犠牲バントを絡め、ラッキーボーイ(部活ネット管理人認定による)仲川くんの2点中押しタイムリー、そして極めつけは益子くんのダメ押し2ランホームラン。

もしかして、こういう勝ち方を“盤石”と呼ぶのかもしれない。

それくらいに、敗北が忍び寄る要因は皆無であった。

相手の瀬谷西も先発の本格派右腕の山口剛くんは好投手であったし、彼らもまたノーエラーであったことを考えると、4安打完封の柿澤くん、2試合連続無失策の守備、例年よりさらに正確に決める送りバント、そして何よりも好投手を打ち崩すだけの打力といった“勝つための道具”はかなり揃っていると言えよう。

鶴嶺野球部を見続けて15年、少なくとも管理人が知っている中で、これほど多様なピースが揃ったチーム、そしてゲームを見たのは初めてであると断言出来る。

そうした諸々から、管理人はこの試合を「鶴嶺高校野球部・部活ネット史上ベストゲーム」と認定したいと思う。

もちろん、18日に予定される3回戦の藤沢総合戦、さらにそこを乗り切ると強豪・平塚学園と今夏の目標でもあるベスト16を懸けての4回戦も待っている。

昨夏のエース・井口雄大くんも「今年めっちゃ打ちますよね」と、ややうらやまし気である。

このクオリティと勢いを保つことが出来れば、必然目標は近づいて来るはず。

特に3年生諸君には最後の夏を出来るだけ長く謳歌してもらいたい。

さらなる健闘を祈ります。
 


  
  
  
史上最高ゲームの先発メンバーたち。左上からピッチャー・柿澤、キャッチャー・仲川、ファースト・小川、セカンド・窪田、サード・熊澤、ショート・益子、レフト・原田、センター・小島、ライト・丸島(敬称略)

  
左)瀬谷西の先発・山口くん 中)リリーフの本郷くん 右)瀬谷西応援団

  
  
今日のヒーローはたくさんいた。8回とどめのホームランを打った益子くん、7回2点タイムリーの仲川くんはもちろん、バントを確実に決めた多数の選手もゲームに勝つという最終目的を理解した上で、日々練習を重ねた成果を出したヒーローである


絶対に怠らないベースカバー by 柿澤立樹投手
 
圧巻の完封劇であった。

ものすごいスピードで2ケタ奪三振を取るわけではないが、抜群の制球力と落ち着いたマウンド捌きで、いつのまにかアウトを重ねて、相手を術中に嵌める能力は鶴嶺史上でも間違いなく五指に入るであろう。

彼の素晴らしいところは、それをある意味飄々とやってのける点にある。

そして、1回戦のところでも記したが、一塁側に飛んだ打球に対して絶対にベースカバーを怠らないというのも特筆すべきことであろう。

それによって、自分自身が救われたのも一度や二度ではない。

「練習の時によく言われてて、常に意識はしています」とのこと。

管理人「無四球だったけど、カウントが悪くなった時には何か意識してやっていることはありますか?」
柿澤くん「はい。もうど真ん中に(笑)。それで打たれたら仕方ない、と。」

柿澤くんのポンポンとストライクを先行させるテンポある投球が、守備のリズムをスムーズなものにさせているのは間違いない。

これからの投球にも期待したい。
 
 
「調子に乗らず,謙虚に」 by 窪田幸生主将
 
キャプテンの窪田くんは先輩たちや同級生たちから、とても親しみを持って「ユキオ」と呼ばれている。

野球の技術や経験だけでなく、そうしたキャラを含めたキャプテンシーがこの夏の鶴嶺の快進撃を支える大きな要因であることは間違いない。

管理人「今日の出来は?」
窪田主将「バッテリーが先頭を切って、守備でリズムに乗れたことと、バントがきちんと決まったことは、練習の成果が出たのだと思います。」

管理人「次戦は今日第一試合で延長サヨナラ勝ちの藤沢総合ですが、どういった戦いを予想していますか。」
窪田主将「今日の勝ちで調子に乗ったりせず、守りを意識していきたいと思います。これからは試合間隔が狭まってきますから、出来るだけ投手陣を楽にしてやるためにも、可能ならコールドで勝ちたいとは思っています。ただ、謙虚に行きたいです。」

先のことを見据えて、今後の戦略まで描いていることが窺われ、感心しきり。

また、彼はチームメートを称えることも絶対に忘れない。
それも素晴らしいと付け加えておきたい。

君、うちの会社で働かないか?(笑)
 
 
次戦制して,5年ぶりのベスト32をまず目指します by 亀山博人監督

 
ある意味、2年掛けて育ててきたこのチームに対する自負はあるに違いないが、夏の大会では1つ勝つということがどれほど大変か、ということもよくわかっているので、けして大言壮語はしない。

「まず、3回戦に勝って、2012年以来の4回戦(ベスト32)を目指します。そのためには、加部(背番号1)にもしっかりと投げてもらいたいです。」

これからは総力戦。

守備の堅実さは当然として、今年は打撃も噛み合って、穴なく攻められているので、3回戦の藤沢総合戦、さらには4回戦で当たると想定される平塚学園戦にも期待が持てる試合内容であろう。

加部くんを含め、ベンチ入りしている20人、ベンチに入れなかった控え選手たち、マネージャー、父母の皆さん、学校関係者、OB、近隣住民といった野球部周囲の多くの人たちを巻き込んでうねりは広がってゆく。

それもまた高校野球ならではの楽しみである。

鶴嶺の快進撃続編に期待しよう。
 
 

2017.07.10up
 
 
流れを引き寄せた4番との勝負〜猛打一巡! 鶴嶺コールド発進

 
鶴嶺9−2横浜翠嵐
 

ピッチングはもちろん、そのフィールディングが絶賛ものだった柿澤くん
鶴嶺先発は2年生左腕の柿澤くん。

先週左手の腱を痛めて心配されたが、どうにか予定通り投げることに。

その初回の守り、先頭打者のショートゴロを益子くんがファーストに低投し、小川くんがそれを取れず。
(記録は内野安打)

2番打者に送りバントを決められ、3番・4番に連打を浴び1点失った上、尚一死二・三塁のピンチ。

ここで鶴嶺内野陣は前進守備体制を敷くが、それをあざ笑うかのようなゴロが二遊間に飛ぶ。
 
これはさらに2点追加される、と思ったところ、主将のセカンド窪田くんが背走して捕球、そして渾身のジャンピングスローで打者走者を刺し、追加点を1点で留めた。

この守りは大きかったと言えよう。

さらに、6番の打球は一二塁間に転がり、これも1点を覚悟する場面に思えたが、投手の柿澤くんがベースカバーを怠らず、ゴロをさばいた窪田くんからの送球を何気なく取って、3アウトチェンジ。

この回、2点を失いはしたが、実は失点しつつも“鶴嶺ペース”になっていると思えた。

柿澤くん・窪田くんともに地に足のついたプレーで、冷静に戦えているので、流れは持ってこれそうな予感があった。
 

攻守に大活躍の仲川くん。ラッキーボーイになりそうな予感
そして案の定、ウラの攻撃で先頭の益子くんが四球、ファインプレーの窪田くんがヒットでチャンスを作ると、5番仲川くんがレフトオーバーのタイムリーツーベースで同点とした。

その後鶴嶺の攻撃にやや重苦しい展開もあって、2−2のまま進んだ5回オモテ、翠嵐がヒットや犠牲フライで二死三塁という場面で4番の笠井くんを迎える。

笠井くんは初回にタイムリーを撃たれていることもあり、3回での打席でも四球を与えている。

苦手意識があるのかも、と思えたので、ここは歩かせてもいいのではないかと考えていたところ、何と勝負。
 
試合後の窪田主将の話によると、「丁寧に投げれば抑えられるバッター」ということで、バッテリーは勝負を選択したとのこと。

正直、その策が裏目に出て、ここで打たれてしまうと流れは翠嵐に傾くと予見されたので、大きな賭けではあったが、これが功を奏してセカンドゴロに打ち取った。

管理人的には1回オモテの守備、5回オモテの4番勝負が、この試合を決める2つの大きなポイントだったと考える。
 


歓喜のホームイン

そして、流れは1回ウラよりも激しく鶴嶺に押し寄せた。

3番小島くんの二塁打に始まり、4番小川くんがライトへタイムリーヒットで勝ち越し、5番仲川くんが今日二本目の二塁打で4点目。

もしや、この大会のラッキーボーイは仲川くんかも、などと思ったりもした。

その後怒涛の攻撃は続き、気づいてみると打者10人、6点の猛攻であった。

しかし、ここで忘れてはならないのが守備の重要性であろう。
この回の翠嵐にはスクイズでのボール処理で痛いミスが2つあった。

 
もちろん責められるようなものではないのだが、均衡した試合に於いて、守りが破綻した方に分が悪いのは道理であろう。

打たせて取るピッチャーを擁する「似た者同士」の戦いだっただけに、どちらも守りから崩れるのは最も避けたいところだったはずである。

立ち上がりが課題の加部くん。今日の三者凡退を次戦に繋げたい
そういった意味で、ひょうひょうとした柿澤くんのフィールディングは特筆ものだとも言えよう。

7回オモテには背番号1の加部くんが登板、三者凡退で抑えると、そのウラの打席では無死二塁の場面で送りバントが相手内野のミスを誘って、コールド勝ちに繋げた。

全員がやるべき仕事をきちんとやっての初戦突破であった。

3年ぶりに歌った校歌。胸にしみたね。



次戦も守り勝つ野球を by 窪田主将
 
守りはもちろん、打つ方でもホームラン性の当りを飛ばし、主将としてチームを牽引した窪田主将。

2回戦の瀬谷西高校戦(15日。秦野球場)への課題・抱負を尋ねると

「かなりいいピッチャー(山口剛くん)がいて、今日のような大量点は難しいと思うので、守り勝つ野球をしたいですね。 そういう意味で、次戦までの1週間、守りをもう一度チェックしたいと思います」

と語ってくれた。

頼もしい!是非、次戦も突破して、目標のベスト16を目指して下さい。


互角の戦い。守り勝つ! by 亀山監督
 
順風満帆の発進かと思いきや、実は先発予定の柿澤くんが先週、左手腱の痛みを訴えたので、プランがぐらつきかけたが、「それでもこれだけ投げられたので大丈夫でしょう」とのこと 。

次戦の相手・瀬谷西とは「3月に練習試合で1−0で勝っているとはいえ、力は五分だと思います。ピッチャーを含めた守りでミスが出たら負けですね。」

鍛え抜いた守備力で、是非次戦も勝ち上がって下さい。


3年生の牽引力で勝ち上がれ! by 学生コーチ・鈴木日奈太
 
1年ぶりに会った学生コーチの鈴木日奈太くん。

2年生ながら、5年前の快進撃の主軸であった彼が、もう大学4年生とは...

時の流れが異様に早い気がするのは管理人だけであろうか。

「今年のチームは守りが堅いというのが最大の特徴ですね。今日はそれに加えて打も好調でしたが、基本は何と言っても守りなので。主将の窪田は平塚シニア時代もキャプテンをやっていただけあって、野球の技術だけでなく、人望もあると思います。3年生中心にまとまり、それを窪田が引っ張ってゆくという形が出来ています。」

君のいたチームのベスト32を越えられるかどうか。

次戦が楽しみだね!


校歌。それは人の根っこを作る
 
いや、ひじょうに申し訳なく思っている次第です。
(急に「です・ます調」に...)

実は試合前、鶴嶺野球部父母会と思しき方から「応援して下さいね」とうちわを渡されたのですが、取材に没頭するあまりか、返却するのを忘れてしまいました。

せっかくなので、写真をアップさせてもらいます。

このうちわ、ウラ面には校歌の歌詞が3番まで書いてあり、試合中や試合に勝った時にそれを見て唱和するための役割も兼ねているのだと見ました。
(もちろん、仰いで風を起こすことも可能です)

実は今年で15年目を迎えた部活ネットですが、うちわやメガホンなどの応援グッズを渡されたのは今日が初めてでした。

校歌というのは、しばしば歌うものでしょうが(管理人の母校・平塚江南では音楽の授業のたび、冒頭で校歌を歌っていました)、試合に勝って歌うのは格別でしょうね。

若いころに歌った歌というのは、その人の人間形成にかなり影響を与えるものと思います。
 
あの暑い日に野球部の勝利のあとで、スタジアムで皆で歌った“あの歌”として鶴嶺高校関係者の皆さんの記憶に残るといいなぁ。

うちわを見ていて、そんなことを考えました。

このうちわ、野球部所属の私の教え子を通じてお返し致しますので、どうかご容赦下さいませ(^^♪
 

  
左)鶴嶺応援団 中)翠嵐応援団 右)翠嵐先発の津田篤志投手

翠嵐は守備でピンチを迎えると、応援席から「あ・つ・し、あ・つ・し」と永遠に続くように思われるコールが起こる。
管理人は最初「ワン・ツー・スリー」と言っているのかと思ったが、津田くんの名前だった。
こんな風に自分の名前を呼んでもらえる経験は滅多にない。
それだけでも頑張って投げた甲斐があったなぁ、と、ちょっとジーンときていました。