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4 090722 祭りの静かなる終焉 北陵0−2市立川崎 |
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ほとんどビデオのリプレイを見ているかのような試合だった。 2年前の7月20日保土ヶ谷球場。 相手は鶴見工業。 あの時も最終スコアは0−2であった...。 雨中の4回戦。 流れをつかむ大きなきっかけを得られないまま、淡々と試合が進んでゆくイメージ。 市立川崎は昨秋の県大会で横浜商大を破ってベスト8入り、センバツの21世紀枠に推薦されたチームであり、先発・吉田くんはややサイド気味に投げる右の好投手。 彼にいいピッチングをされると簡単には打てないが、北陵の國正くんも悪くない立ち上がりで応じてゆく。 結果、濃縮されたゲームが速いペースで進行するのである。 試合時間は2時間を切っている。 |
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管理人が球場に向かう頃からだんだんと雨脚は速くなり、試合開始時点ではゲームが成立するかどうか微妙な感じもした 上中) この球場の「ただ見客」は傘を準備しているという周到さであり、またしても管理人を感心させた次第であった |
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左)市立川崎のエース・吉田くんはさすがの投球 中)バントや守備も鍛えられている好チームだった | ||
膠着状態の途切れ目 |
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2回ウラ、無死で出たランナーをバントで送られ、川崎のエース・吉田くんがセンターオーバーのタイムリー。 |
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左)3番に上がった桑原くん。1本ヒットも出た 中)最終回、先頭打者で二塁打の岡部くん 右)残念ながら最終打者となった安藤くんだが、同点ホームランを期待させる雰囲気はあった | ||
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左)ピンチに集まる内野陣 中)チームを引っ張ってきた奥本主将 右)最終回サードに守備に入った小田くん | ||
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エース國正の矜持と悔恨 |
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中)試合後、安積くんと高校生活最後のクールダウン 右)5年前のエース・東くんが声を掛ける | ||
3試合を全て完投した國正くん。 それは「大黒柱」と形容するのにふさわしい投げっぷりであった。 絶賛に値する。 自分のピッチングに全く悔いがないわけではないだろうが、ゲームの中で全知全能を働かせた結果のことなので、頭脳明晰な彼はやがてそれを消化し、乗り越えてゆくことだろう。 ただ、桐光学園戦にも投げさせてあげたかったなぁ...。 |
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『打てませんでしたね...』 by
松島監督 |
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松島監督は開口一番「ん〜、打てませんでしたね...」と絞るように。 管理人「相手の吉田くんは評判通りのいいピッチャーでしたか。」 松島監督「あのレベルの投手だと、左バッターが打ち崩さないと難しいですね。桐光さんには左が多いので、どう打つかでしょうね。」 管理人「監督が5年前のチームは強かったが、今年はそれに匹敵すると仰ってました。その力は出せたでしょうか。」 松島監督「ん〜。今年のチームはケガが多かったですね。近頃の子供は弱くなっているんでしょうかねぇ。それほど強い練習をさせているつもりはないのですが。そこがちょっと残念ではあります。」 管理人「國正くんについては...」 松島監督「いやぁよく頑張って投げましたよ。3試合完投ですから。腰痛から立ち直ってここまで投げたのは誉めていいんじゃないですか。」 負けたあとに質問するってのは、なかなか気が引けるものですが、いつもちゃんと受け答えわして頂きありがとうございます。 これからも応援させてもらいますね。 1・2年の新チームは23日から始動するとのこと。 まず、投票によるキャプテン選びからだそうだ。 脈々と北陵野球部のDNAを引き継ぐチームを期待してやまない。 |
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【管理人・記】 |
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取材させてもらったチームが姿を消すと、管理人の夏は半分終わります。 いろいろと書き足りないこともあるので、明日以降も折を見て書かせてもらいます。 神奈川代表になるには、まだここから4回勝たなければなりません。 本当に大変なんだなぁ... では、また後日会いましょう。 (たぶん...) |
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3 090720 壮絶な殴り合いは北陵に軍配 北陵10−9厚木 |
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何しろひどい渋滞だったのである。 管理人は『ナビがあっても必ず迷う』という体質のため、取材の際は可能ならば到着時間から逆算して余裕のある時間に出発するよう心掛けている。 本日試合の行われた俣野球場というのは初めて行くところだし、状況が全くわからないので、試合開始予定時間(13:30)よりかなり前に着くよう出発したのである。 ところが、原宿の交差点を経由してドリームランド前というちょっと奇妙な三叉路を右折するのに1時間弱掛かるという、想定範囲を超えた渋滞ぶりに何度も「もう帰ろうかな」という弱気が... さらに、やっと右折したと思っても、そこからがまたピクリとも動かない。 坂道発進をチョビチョビ繰り返しながら、管理人は「もしや球場の駐車場が満杯で前に進まないのかも...」と思い、最早試合を初めから観るということについては諦めモードになっていた。 (この時点で既に13:50に) ところが、たまたま目に入った「横浜薬科大学駐車場」という看板に、「ここに停めたら叱られるかなぁ...」などと数秒考えたのち(管理人は叱られるのが嫌いです)「ええぃ、背に腹は代えられん。もうここに停めよっ」と決断。 実際、誰に許可を得たらよいのかわからないまま、こっそり置かせてもらったのであった。 (大学関係者の皆さん、ゴメンナサイ) そして、第一試合(市立川崎−上溝)が長引いたこともあり、等々力球場に行くより時間が掛かってしまったにも関わらず、何とか試合開始に間に合ってしまったのだった。 ん〜、ついているんだか、いないんだか...。 実はこれが本日の試合の予兆だということに、この時点ではまだ気づいていなかった。 |
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あまりの渋滞ぶりに路線バスに乗っていた客たちは、停留所でもない道で次々に降り、球場に向かって歩き出した。管理人は車に乗ってはいるものの暇なので写真を撮ったりしたわけだよ | ||
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とにかく車・車・車...。ずっと満車状態なので、必然的に駐車場入口を起点に大渋滞が起きる | ||
厚木はエースを温存? |
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厚木の先発投手が背番号13の小柳くん(右投げ)であったことにやや驚いた。 コーチの小澤くんとスタンドで会うと「初戦で城郷の左投手を打ち込んだからじゃないですかねぇ」と。 実際の理由は不明だが、もしかしたら単に小柳くんの調子がよかったのかもしれない。 しかし、結果としては彼のボールが北陵打線にタイミングが合いやすかったのか、或いは“流れ”と呼ぶべきものによるのか、初回に6点を献上することとなってしまった。 |
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厚木高校の継投。左から先発・小柳くん、2番手・中本くん、3番手・小林くん | ||
北陵、初回から打者一巡の猛攻
〜 静まり返る厚木応援席 |
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プレーボール直後の岡部くんのショートゴロがエラーになり、それに乗じた北陵打線は國正くんの先制タイムリーヒットなど、8打者で5本のヒットと犠牲フライを集める集中砲火で小柳くんが交代。 替わった中本くんに対しても9番徳本くんがフォアボール、打者一巡して岡部くんのレフト前タイムリーヒットで計6点を奪うと、北陵応援席は狂喜乱舞。 逆に厚木応援席は静まり返るというコントラストであった。 管理人はこの時「おや、もしかして今日もコールド?んじゃ、早く帰れるじゃないですか」などとちょっと考えてしまったことを告白しておく。 |
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諦めない厚木。応援席から叱咤激励 |
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しかし、じっと下を向いたままでは何も起こらないと知っている(たぶん)厚木高校のOBたち(結構な年齢の人も相当数見受けられた)が2回ウラの攻撃開始時、ついに爆発。 「ちっとはこの応援に少しは応えてみろ〜っ」 「お前ら練習でやってきたことを出せ〜っ」 顔を真っ赤にして、本気で叫び続けている。 その怒声には後輩たちへの愛情ともどかしさが混在している。 若いOBたちは技術的なことにも言及している。 何しろこのまま無得点が続けば本当にコールドゲームなのである。 ...そして彼らの願いは徐々に形になってゆくのであった。 2・3回の攻撃で5点を返した厚木。 もう試合はどう転ぶかわからない。 早く帰ってうなぎでも食おうかと思っていた管理人が浅はかであった。 この時、「ドリームランド前の交差点までのスムーズさと、そこからの異様な渋滞」の意味が理解されたのであった。 これは猛烈な根比べになりそうだ。 |
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厚木は北陵よりも伝統があり(創部102年目とのこと)、その応援は激しくも愛情に溢れる | ||
眠れる4番,ついに爆発 |
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流れは北陵とも厚木とも言えない状態であった。 少なくとも北陵は何度も得点圏にランナーが出るものの、ホームが遠く、実際2度本塁上のタッチプレーでアウトになっていた。 喩えるなら、 コップに注いだ水がなかなか溢れない、という印象で、観ている者をハラハラさせる。 これが続くと厚木ペースになりそうである。 それでも「ついに」と言ってよい、北陵を応援する者にとっては待望の一発が7回オモテに出た。 『眠れる主砲』4番・安藤くんがバットを一閃。 弾かれたボールはレフトフェンスを超えていった。 (大会第28号ホームラン) 2死走者なしから、奥本くんの二塁打が出て、安藤くんに回ったチャンスであった。 この試合を決定づけるだけでなく、次戦以降への期待を抱かせるホームランだと、この時点で管理人は考えていた。 |
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ジャストミートした時のパワーはやはり只者ではない迫力の安藤くん。市立川崎戦でも活躍を期待しています | ||
厚木,驚異的な粘り |
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普通(ってナンだ?)、終盤を迎えての追加点は、追う側のやる気を削ぐものとなる。 ま、だから「ダメ押し」などという言葉も生まれたのかもしらんが。 何しろ厚木は7回オモテの安藤くんのホームランによって、却って魂に火が点いた印象で、校歌を歌う姿にも気合が入りまくっている。 國正くんのピッチングが取り立てて悪いという風情ではないが、うまく合わされている。 7回ウラは代打に出た櫻井くん(2年生)がヒット。 安藤くんのホームランが再びゲームを動かす役割になったのかもしれない。 その後もエラー絡みで厚木に2点が入り、いよいよ混迷の度を深めるのであった。 |
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黄色いメガフォンを叩いて燃える厚木応援席。北陵はピンチになると背番号20の安部くんが伝令に出てくる | ||
疲労困憊のゲームセット。よく投げたエース |
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8回にも先ほど代打で登場した櫻井くんがタイムリーで1点。 ここで管理人はちょっと不吉にも「彼のように下級生のラッキーボーイがいると流れは厚木かも...」 と頭をよぎった。 特にこの回は無死で出た走者をキャッチャーの根子くんが二盗を阻止するという“いい形”が出来ていただけに、余計気まずい予感もしたわけだが、ここをエースの國正くんが3番の加藤くんをセンターフライに打ち取って切り抜けた。 そして最終回。 北陵応援席は前のめり状態。 厚木応援席はほぼ悲鳴状態。 それは1死後、内野ゴロエラーの走者が二塁まで進んだ時にピークを迎えた。 厚木6番臼井くんがレフト前タイムリーでついに10−9に追いすがり、尚1死一塁。 管理人はここで厚木が盗塁という策に出たら、北陵にとって厳しいかもと考えていた。 盗塁にはアウトになるリスク(実際、8回には刺されている)もあるが、キャッチャーが投球を受けて⇒二塁に投げて⇒走者にタッチして、という一連の所作が全てうまくいかなければならず、守る側としても嫌なものなのだ。 厚木が選択したのは送りバントであった。 そして、それは成功する...。 しかし、北陵サイドに立って言えば、「ちょっと儲かったかも」である。 ヒットを打たれても1点。 一気の逆転がないため國正くんは「平常心」で投げられるのではないかと見えた。 結果、最終打者となった8番鈴木くんの打球はファースト後方に上がったフライ。 これを篠原くんが慎重にキャッチして、ようやく激戦に終止符を打った。 終わってみれば両チームで31本のヒット、7つのエラーが出るという『足を止めての殴り合い』のような試合は北陵が制することとなった。 それにしても厚木の恐るべき粘りは脅威であった。 北陵は三者凡退が一度もなく、どこからでも攻撃を仕掛けられる力を見せた。 「水もの」と言われる打撃が4回戦・5回戦にどう機能するか、楽しみである。 |
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中)ピンチに心配げな臼井マネージャー 右)最後の打者を打ち取った場面 | ||
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打でも活躍の國正くん。最大の敵は疲労か |
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初戦に続き、この日も一人で投げ切ったエースの國正くん。 |
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「うちらしい野球でした」 by
松島監督 |
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試合後、さすがにお疲れの様子であったが 「いやぁ、うちらしい試合でした。エラーもありましたし。」 というコメントを頂いた。 あまり好きではないバントも「左ピッチャー対策としてやってきましたから、今日もいくつかはやってみました」とのこと。 |
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こぼれ話@キャッチャーのテンションが上がる時 |
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北陵のキャッチャー根子雄一朗くんは笑うと顔の黒さとのコントラストで歯がまぶしいほど白く見える。 今日はタイムリーを含め3安打の猛打賞。 さらに8回のピンチで二盗を刺す肩も見せた。 管理人「盗塁を刺すのって、どんな気持ちなの?」 根子くん「めっちゃテンション上がります!で、ガッツポーズしたら、審判の人にすごく叱られました(笑)」 |
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攻守に活躍の根子雄一朗捕手 | ||
管理人「9回のピンチの時は國正くんに何を伝えたの?」 根子くん「1点はしょうがないよ。とにかく、やるしかないねって。」 で、本当に1点はあげてしまったのだが... 管理人「10対9になって、まだ1死一塁の時、バントじゃなくて盗塁かも、ということは考えなかった?」 根子くん「もう、相手の作戦というより、こちらができることをちゃんとやろうと。割と無心でした。」 彼は昨秋、ろっ骨を骨折していたが、痛いとは言わない我慢の人。 重労働のポジションなので、けがには気をつけてね。 |
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こぼれ話A「楽勝ムード一転。でもイケイケで」 マネージャーの心臓は大丈夫か? |
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初戦の上久保マネに代わり、3回戦は臼井祐子マネがベンチ入り。 管理人「疲れたね。ベンチ内はどんな雰囲気だったのかな?」 臼井マネ「追いつかれてきても、イケイケでやってました。」 管理人「2回までに7点リードした時は、またコールドでいけるとは思いませんでしたか?」 臼井マネ「はい。ちょっと思いました(笑)。でも、こういう試合もウチらしいので。」 |
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Vサインの臼井祐子マネージャー | ||
試合中、管理人は彼女の心臓がバクバクしてないか心配だったりしたが、どうやら無事ご帰還のようで何よりです。 順調に勝ち進んで行くと、今度彼女がベンチに入るのは桐光学園戦ということになる。 横浜スタジアムだし、楽しみだね。 (その前に“世界一平和な”平塚球場での市立川崎戦に勝つ必要があるけど) |
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こぼれ話Bウィニングボールの行方 |
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管理人がちよっとホロッときた話をご紹介します。 前回、ホームランボールは大会役員が届けてくれるという話は書いたが、今回は北陵が勝った際のウィニングボールの話である。 試合後のミーティングで、松島監督が背番号の付いていないユニフォームを着ている部員を呼んで、ボールを渡している図に遭遇。 確認してみると、どうやら3年生でベンチに入ることが叶わなかった選手たちに、1回勝つごとに、その試合のウィニングボールを渡しているとのこと。 |
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3年生部員の田代康平くん | ||
今回は写真の田代くんがその栄誉に浴した。 彼に今日の心境を聞いてみた。 「最後の最後までハラハラはしました。自分はベンチからは外れてますが、ベンチのメンバーに全幅の信頼を置いていますから、やってくれるだろうと信じていました」語ってくれた。 こういう光景こそが高校野球を下支えしているものであり、日本の教育システムがかろうじて死んでいないことを示す例でもあろう。 のちに彼が北陵野球部時代の思い出を温かいものと感じてくれるといいなぁ... |
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【管理人・記】 さあ、4回戦は平塚球場で21日13:30から対川崎市立戦。 行けるといいけど、ちょっと怪しさもあります...。 本日、茅ヶ崎高校が延長で敗れ、もう北陵しか生き残っていない茅ヶ崎勢。 もう、行けるところまで行ってちょーだい! |
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2 090718 たくさんのお便りありがとうございます |
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何があったのかわかりませんが、この『高校野球雑記』アップ後、たくさんのアクセスを頂きました。 また、温かい励ましのメールも申し訳ないほど頂いて、感動しています。 だからと言って、拙筆のレベルがいきなり上がるわけではありませんが、とても励みになります。 皆さん、ありがとうございます。 今日は昨日書き切れなかったことをちょっと書きたいと思います。 |
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@応援団 |
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ベンチ入りできなかった選手たち・学校関係者・有志の応援団・保護者・ブラスチーム・チア・一般生徒など、北陵応援部隊はピースが揃っている。ちなみに応援団長は女の子。気合いの入ったエールは頼もしかった。試合後は応援部隊と野球部が対面しての儀式が執り行われる | ||
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以前にも応援団については書いたことがある(詳細はこちらを)のだが、野球応援のしかたは世の中の変化を何年か遅れで反映しているように思える。 かなり多くの学校でチアリーダーが登場したり、女子が男子の学ランを着て応援するといった光景は20世紀にはあまり考えられないものであった。 そして、彼ら・彼女らはそこに参加することで自らのアイデンティティを形成しているようにも思える。 管理人はそれを少し羨ましく思う。 もし自分が今高校生だったら、高校野球とどう対峙するのか、何度も考えてみた。 管理人は少年時代の様々な体験から、敢えて野球とは一線画した位置にいたため、リアルな想像ができない。 祭りに乗るのか、離れて見るのか、全く違う場所に行くのか... 少なくとも野球場に集まっている人たちは祭りの参加者ではあるし、今、自分がその輪の中にいること(と言っても表現者としての視線が強くはあるが)にちょっとした安堵感があることも告白しておく。 |
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Aブラス応援・・・オリジナル曲をやって欲しいざんす |
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爆風スランプ「ランナー」、ピンクレディ「サウスポー」といった懐かしい曲や、大塚愛「さくらんぼ」などの新しめの曲、「ルパンV」「必殺仕事人」に代表されるインスト。 時には「コンバットマーチ」。 ブラス応援の定番とも言える楽曲群なのであろうし、スコアが手に入り易いということもあるのだろうが、何とかオリジナル曲をそれとわかるように演奏してくれないかなぁと毎年思う。 |
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管理人が大学時代、一度だけ東京六大学の応援に駆り出されたことがあった。 (理由はすっかり忘れました) 正直言って気のりしなかったのだが、相手チームが無死または1死でランナーが一塁に出ると、決まって流れる曲があり、試合結果は忘れても、その間抜けなジングル(と言ってよかろう)だけは忘れられない。 それはわずか4小節から成立しており、応援団長が指揮して、ブラスバンドと観客席の学生たちが 『ゲッツー チャチャチャ(効果音) ゲッツー チャチャチャ(効果音)』 ちゃらら らん らん らん ピョン ピョン というフレーズを1回だけ演奏&歌唱するもので、そこにちょっぴり気持が高揚した。 (今度譜面を起こしてアップしますね) 早稲田大学も今や毎年のようにプロ選手を輩出したり、ハンカチ王子が入学するなどの盛り上がりを見せているが、あの応援は忘れていないだろうか... 今度、余程興が乗ったら神宮球場に足を運んで確認してこようと思う。 っつーか、誰か知ってる人がいたら教えてちょーだい。 |
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Bベンチ入りメンバー |
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管理人の記憶が間違っていなければ、昔(大雑把な言い方で申し訳ない)はベンチに入れるのは確か14名という時代が長かったように思う。 現在、どうやら神奈川県大会では20名がベンチ入りでき、甲子園では18名らしい。 昨今は、選手だけでなく、マネージャーも1試合につき一人、ベンチ入りできる。 頑張ってきたんだから、せめてなるべく多くの選手がベンチに入れるように、という配慮もあろうし、14名では戦術的にも限られてしまうというのがその理由だと推測するが、当落線上にいる選手たちは気が気ではなかろうね。 今年、北陵ではベンチに入れない3年生が4名いたと聞いているが、外される選手も辛いし、外す監督の気持ちもおそらくとても痛いはずだ。 さらに、20名のメンバーに入って甲子園への切符を掴んだあと、メンバーを外される2名はどんな気持ちになるものなのか。 ん〜、高校野球のこういうコントラストや残酷さも趣深い...。 その場に居合わせることは、メンバーに入れる・入れないという結果はさておき、とても大きな経験値となって人生にフィードバックされるはずだ。 全国のベンチ入りが叶わなかった3年生諸君。 勝負はこれからだよ。 |
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Cコールドゲーム |
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神奈川大会では準決勝・決勝を除いて、5回終了時に10点差、7回終了時に7点差がついていればコールドゲームとなる。 「それだけ差があったらもう追いつけないでしょ」という一般論による。 (実際には7点以上の大差を逆転した試合も数多くあるが) 17日の試合ではきっちり7回7点差で北陵がコールド勝ちしたのだが、よ〜く見ると、スコアボードの7回ウラに「×」マーク(通例サヨナラ勝ちした場合につけられる)が...。 早速、この写真について複数の方からメールを頂いた。 勿論、この表示は思い切り間違っている(大笑)。 勝ったのは城郷ではなく、北陵の方なのであった。 管理人はこういった誤表示などがあっても、誰も刺々しい文句を言ったりしない高校野球の地方予選が『平和の象徴』に思えてならない。 日本の夏から高校野球がなくなった時。 それは日本が沈没するか、暴徒化する時なのだと予想する次第だ。 ちなみに“コールドゲーム”というのは「審判によって中止を宣告される(callされる)試合」という意味のようだ。 管理人は英語の教師になるほどなので、ご幼少の頃から英語には極めて敏感で、「野球の試合は雨が降ったらコールドゲーム。だって『寒い』からね」などと知ったかぶってました。 ...恥ずかしいぜ。 寒いのは管理人の英語能力であった。 ちなみに、管理人はデッドボールも“ゼットボール”(Zはアルファベットの最後の文字だから「最終秘密兵器」みたいな)だと思っていた。 こんな管理人に今日も英語を教わる生徒たち... ごめんね |
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D激減した地元中学出身者 |
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鶴嶺・北陵を取材していてふと気づいたのであるが、ベンチ入りした20人のうち、茅ヶ崎・寒川地区の中学出身者が北陵では4名しかいない。 (鶴嶺では12名) これは学区が撤廃されて、旧学区のトップ校であった北陵にここ数年、他地区からどんどん流入してきたという事実を物語る。 北陵は旧学区トップ校では唯一(と言って過言ではなく)「独自入試」を実施していないということの影響もあろう。 “ミニ野球留学”? ある意味で「開かれた高校」ではあるし、敢えて北陵を選んでやって来たわけだから、選手諸君には是非頑張って欲しい。 で、地元の中学生も来てくれるともっといいなぁ... (でも、定員は決まっているけどね) |
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【3回戦 19日13:30 俣野球場 対厚木高校】 管理人は観戦に行きたい気持ちは満々。 城郷戦ではいろいろな方にも会えて嬉しかったです。 父母会の方から冷たいお茶の差し入れも頂き、ありがとうございました。 とりあえず、球場で管理人をお見かけの方、邪険にはしないでね。 |
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1 090717 北陵,コールド発進 北陵7−0城郷 |
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毎年のことながら、書き出してはみるのだが、いつまで続くのかは定かでない。 管理人自身がこの時期は“祭り”の如き日々を送っているため、ちょっとしたアクシデントで全く球場へ行くチャンスもなくなってしまうこともあり得たりする。 (サブタイトルの「太陽がくれた季節」についてはのちのちお話しますね) ただ、少なくとも書いたことについては責任を負うつもりはあるので、よろしくお付き合い下さいませ。 とりあえず、16日(木)はあらゆる仕事を前後左右に移動させ、川崎・等々力球場に北陵対城郷の2回戦を観に行った。 (ちなみに、北陵と城郷は2004年夏にも3回戦でぶつかり、4−3で北陵が接戦をモノにしている) 10年連続で初戦を突破するという快挙を成し遂げていた鶴嶺高校が、13日の1回戦(管理人は絶望的状況で観に行けず)で上溝の好投手・岡村くんに完封され、遂に初戦勝利の連続記録が途切れてしまった。 (鶴嶺の選手・関係者の気持ちは想像するのも難しいが、それは可能なら後日書かせてもらおうと思う) というようなこともあり、この日北陵の試合を観ておかねば「観戦ゼロ記録」を打ち立ててしまう可能性もあったからね... ひとまず、これで「夏の大会、北陵の試合をナマで観る」連続記録を7年に延ばし、管理人の小市民的な自己満足は密やかに今夏も継続されたのであった。 |
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@展開のあや |
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さて、画面がちょっと見づらいかもしれないが、結果として北陵は7−0という最終スコアで、7回終了時の規定により、城郷をコールドゲームで下したのであった。 が、管理人が見る限り、そのスコアの開きほど力に差があったわけではない。 実際、4回までは城郷先発の左腕豊原くんのスリークォーター気味の軟投(と言っていいのかな?)に翻弄されている印象すらあった。 |
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左)城郷のエース・豊原くんは阪神の下柳を彷彿とさせる好投手 中)城郷応援団はひじょうにマナーもよく、気持ちのよい声援であった |
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しかし、ちょっとしたほころびが大きな展開のあやになることは、勝負事を少しでも経験したことのある人なら感覚的にわかるものだ。 それが、この試合では5回オモテ2死から起こった。 「野球はツーアウトから」 言い古された感もある言葉なのだが、言い古されるだけの深みを持つのもまた事実だ。 北陵はこの回も豊原くんを打ち崩せず、淡々と(?)2アウトとなった。 が、そこから2番の大串くんがヒット、3番の奥本くんが内野安打で続いた。 管理人はこの時、北陵応援席側にいた。 次打者が4番・安藤くんだったこともあり、応援席の期待感がただならぬものになっていると感じていたが、平凡なライトフライを打ち上げてしまう。 フライというのは「取る」という作業しかないため、ゴロ(「取る⇒投げる⇒取る」の3つの作業アリ)に較べればアクシデントは起こりにくい。 それを知ってか知らずか、父母・学校関係者・吹奏楽団・ベンチ入りできなかった選手たち・一般生徒、おそらく200名は超えていたと思われる人たちの「あぁ〜」という溜息(たぶん、一人一人の発する音はかなり小さいと思われるのだが)が集まり、真っ青な夏空に重たい雲のように広がった。 いやいや、まさかそれが城郷の背番号19の右翼手・平野くんに聞こえて動揺したわけではあるまいが、彼がポトリと落としてしまうのである。 二塁走者の大串くんは2死であったため、打った瞬間にオートマティックに走り出していた。 (ま、実はこうした当たり前のことを当たり前にやるのが実に大切なのだが...) 北陵は2死走者なしという状況から1点を取ることになったのである。 まさしく「野球はツーアウトから」を実践したものであり、実はこのケースは2死でなければ得点できていない場面だったのである。 管理人は、この7年の観戦経験で似たようなシーンを何度か見ており、5回ウラの城郷の攻撃が単調に終われば、グッと流れは北陵に傾くのでは、という予感があった。 ...そして、それは現実となってゆく。 |
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A実った『左投手対策』 |
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6回レフトにホームラン(大会16号)を放った奥本主将。ホームランボールは大会役員の人が試合後持ってきてくれるシステムになっているらしい(本日初めてそのシーンを見ました!) | ||
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鎌田くんの犠牲フライで7点目のホームを踏む桑原くん。これでコールドゲームが成立する条件を満たすこととなった | ||
北陵高校は攻撃力を持ち味(ウリ?)にしている。 |
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B『強心』 |
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管理人は「きょうしん」という音を聞くと、「あぁ心臓の薬ね」などと思ってしまうが、この夏北陵野球部では上記の如く『強心』が合言葉なのである。 本日ベンチに入った上久保マネージャーによると、「強く振る」の『強振』と掛けての言葉で、マネージャーが選手たちにその言葉の入ったお守りを贈ったのだそうだ。 上久保さんは試合開始前、スターティングメンバーを告げる際、選手たちを叱咤するような強さも持ち合わせている。 |
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本日ベンチ入りの上久保めぐみマネージャー | ||
管理人「今日はベンチでどうでしたか?」 上久保さん「序盤はドキドキしっぱなしでした。1点入ってからはイケイケになって、6回はスコアブックの下でヒットが出るたびに小さくガッツポーズしてました(笑)」 とのこと。 よかったね。 3回戦はもう一人の3年マネ・臼井祐子さんがベンチに入る予定。 19日の厚木高校戦も頑張りたいですね。 |
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高校野球はベンチ入りしない選手・マネージャーがどれほどグラウンドにいる選手たちと一体化するかが大きなポイントである。そういう点で北陵は上級生が全体をうまくまとめている | ||
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Cエースの『平常心』 |
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初戦を完封。 これ以上ないスタートを切ったかに見えたエースの國正くんであるが、彼はあくまでどん欲だ。 管理人「今日のピッチングはどうだったのかな?」 國正くん「ストレートはキレもよかったのですが、変化球のコントロールが...。変化球で打たせて取れれば、自分もチームももっと楽になるんですけどね。」 |
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管理人「今日、内野のエラーが重なった場面もあったけど、冷静に投げていましたね。」 國正くん「はい。エラーはつきものなので(苦笑)。練習試合なんかだと、カッカしてしまうこともあるのですが、今日は大会本番ですし、帽子のひさしに『平常心』と書いてあるのを見るようにしました。」 管理人「おぉ、エースの自覚だね。ところで、この間は昨夏の慶應藤沢戦のピッチングがこれまでのベストだと言ってましたが、今日の投球はそれを上回るものでしたか?」 國正くん「いや、まだですね。やはりコントロールが...。厚木戦ではストレートのキレと変化球のコントロールに注意して投げたいです。」 お疲れ様。 次戦も好投を期待してます! |
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D青春の蹉跌 |
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見てはいけないものを見たような気がする。 5回オモテ、2死一・二塁で北陵の安藤くんが打ち上げたライトフライを城郷の平野くんが落球したシーンだ。 慌てて拾い直したものの、2死であったため、走者が自動的にスタートしていて生還を許してしまった。 彼は少しうつむいていた。 試合の流れが変わる象徴的なシーンではあった。 |
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もしかしたら、彼はこの夏大きな忘れ物をしたような気持になるのかもしれない。 しかし、ずっとうつむいていてはいけないよ。 背番号19から先発メンバーを勝ち取り、試合に出たこと自体に既に素晴らしさがあるわけだよ。 目覚める頃に、涙が乾いているといいね。 |
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まだまだ、いろいろと書きたいこともあるのですが、時間が差し迫っている関係で、明日以降にアップ致します。 この夏も何卒よろしくお願い致します。 |
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2009.7.17 by
管理人 |
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