吹奏楽コンクールこぼれ話
高校B部門 ◇04年茅ヶ崎地区各高校「春の定演」特集 ◇03年度吹奏楽コンクール ◇TOPページに戻る

 
 雨も心配されたが、どうにか持ち堪えた一日であった。

 吹奏楽のコンクールは、どうやらA部門(50名以下の編成)とB部門(35名以下の編成)に分かれて開催される慣わしのようだ。私はそういったことすら、昨年まではよく知らなかった。

 コンクールの面白さは、何と言っても「一発勝負」というところであろう。

 オリンピックのマラソン日本代表を決めるのと違って、普段上手であるかどうか、ということは問われない。というより、日頃ヘボい学校が、本番だけ上手に演奏するなどというのはムリなわけで、それは前提ではあるが。

 高いレベルで競い合っている高校が、どれほど本番で力を発揮できるか、に懸かっているわけだ。必死に練習してきたことをステージできちんと出すというのは、簡単ではない。しかし、それをやらなければ、県大会・関東大会はない。しかも、個人戦ではなく団体戦だ。盛り上がる要素はたくさんある。

 昨年は、それまで4年連続で関東大会にまで出場していた茅ヶ崎高校が、地区予選敗退を喫するという番狂わせ(という言い方が正しいかどうかはわからないが)も起こった。一発勝負の恐さを見た気がした。

 で、中学・高校の同時開催なので、本日は午前中から中学B部門・A部門と続き、高校A部門の演奏が始まる時には既に午後4時半を過ぎている。各校顧問の先生方や手伝いの生徒たちは、朝から大変で、もう高校A部門の頃にはヘトヘトになっているのではないかと心配したりする。ご苦労様です。

 最初に謝っておかねばならないことがあります。
(最近は、こんなのばっかりだ...)

 今年は「ホールの中で全校の演奏を聴きたい」と宣言していた私であったが、初手から厳しい現実が待っていた。

 それは、演奏時間帯のことである。プログラムでは4:35開始、6:05に終了と予定されているが、大概、こういったものは押してゆく傾向があるもので、本業の学習塾(実は私は塾長だったりする)の授業が6:20に開始されるという、タイトロープを渡るようなスケジュールになっていた。
(幸い、塾までは走れば1分で到着できますが)

 険しい予感はあったのだが、悪い予感は的中するもので、最後に登場する日大藤沢高校の演奏はついに聴くことが叶わなかった。とても残念ではあったが、さすがに私の登場をおなかを空かせて、今か今かと待っている(そんなヤツはいねえって)生徒たちを放っておくわけにもいかず、泣く泣く会場をあとにしたという次第である。

 ご寛容を。

 さて、ホールで演奏を聴く、といっても、漠然と聴いていたのではイカン、と考え、昨秋の「アンサンブルコンテスト」(詳しくはこちら)でも採った手法である、『私も審査員になってみる』 攻撃に出てみることに。

 と言っても、私は吹奏楽のプロではないので、あくまで素人が聴いて分かる範囲で、ということだ。それでも、何かしら基準がないと採点もしづらいので、次のような項目を設定してみた。

(1)シンクロ性
 やっぱ、細かなフレーズや締めの部分での同機性は、低いより高い方がよろしい気がする。アンサンブルコンテストの時もそうだったが、50人が演奏して、ピタリとシンクロすれば相当気持ちいい。

(2)ダイナミックス
 デカく出すところは思い切りよく、小さな音になるところは繊細に演奏してくれると、聴いている側は気持ちを揺さぶられる。個人的に、ダイナミックレンジの広い演奏が好きです。

(3)安定感
 この中には、勿論「リズム」「音程」といったものも含まれるのだが、それが顕著に乱れるような学校はあるまい。どちらかというと、吹き出しの一音目がしっかりしているか、ブレイク時(または終了時)の残響音に違和感がないか、といったことを重視して聴いてみた。

 一応、シンプルにする意味で、以上の3項目を10段階で評価してみることにしましたぞ。

 ものすごく心配なのは、こういった聴き方が自らの感性(それほど優れたものでないにせよ)の妨げになるのでは、ということと、本当の審査員はきっと全然違うポイントを持っているのだろうなぁ、ということである。さらに、私の採点と審査員の採点が思いっきり違ったら恥ずかしい。

 しかし、そこは「トーシロー」の強み。私の採点によって、県大会出場校が決まるわけではないので、好き勝手に聴かせてもらった。そんな私を感動させられる学校が県大会に出て欲しいし。

 ところで、「コンクール」という言葉なのだが、どうやらフランス語(concours)らしい。英語風に書くと concourse であり、「人や物の集まり」「群集」「音楽コンテスト」「空港などのコンコース」といった意味だ。

  conは「一緒に」という意味を加える接頭辞、courseは「定められた道」といった意味で、たいていの中学生・高校生は知っている。するってえと、「コンクール」というのは、さしずめ、『皆で一緒に道を渡る』というところだろうか。
(私はこれでも、一応英語の先生だ)

 で、ちょっとした疑問なんだが、秋に行われるのは「アンサンブル・コンテスト」という名称なのに、夏に開催されるのが、なぜ「吹奏楽コンクール」なのだろうか...。
(ちなみに、アンサンブルもフランス語でensembleだ。なぜ英語のcontestと組み合わせてあるのかも、ちょっと不思議だ。さすが外来語に寛容な日本人だ、と言えばよいのだろうか。)

Before the Concours
  
部門ごとの総入れ替え制なので、各部門が始まる直前には長蛇の列ができる。見ての通り、最後尾は外まではみ出ている。「最後尾」と書かれた札を抱えている子は暑かったろうなぁ。雨降ったらどうすんだろう。

 ところで、A部門には「課題曲」と「自由曲」とがあり、出場する学校はそれぞれ2曲演奏することになる。今回は偶然かもしれないが、4つある課題曲のうち、最初の4校が「風乃舞」という曲を選んでいた。当然、聴く側は較べようとする。もしこうなるなら、別の課題曲を選んだ、という学校もあったのかもしれない。

 コンクール、というか、スポーツも含めた採点競技では、出場する順番も結構重要なポイントにもなり得るので、最初に演奏する湘南学園は「基準にされる」という気持ちもあったかもしれない(事実、私もそうさせてもらった)。しかし、誰かが意図的に組んだ順番でもなかろうから(たぶん)、トップバッターの湘南学園には頑張って欲しい、という気持ちで聴かせてもらうことにした。

 ちなみに、中学B部門では、トップバッターを務めた浜須賀中学が見事県大会出場の栄冠を射止めている。

出演順1 湘南学園
◇課題曲:[T]風乃舞(福田洋介作曲) 
◇自由曲:喜歌劇「メリー・ウィドウ」セレクション(レハール作曲)

◇管理人独断採点 
(1)シンクロ性:8 (2)ダイナミックス:8 (3)安定感:7  総合得点:23点

■短評(あくまで主観的に書いていますので、あまり気になさらないで結構です)
 トップバッターという緊張感はあったのだろうが、少なくともそれは乗り越えられていたように思える。全体のダイナミックスが下がった時に、管楽器がややスカスカした感じになっていたようだ。また、ソロの吹き出しの一音目が少し安定感を欠いたことがあったのは残念だったろう。

出演順2 茅ヶ崎北陵高校
◇課題曲:[T]風乃舞(福田洋介作曲) 
◇自由曲:悪魔の踊り(ヘルメスベルガーU世作曲)

◇管理人独断採点 
(1)シンクロ性:9 (2)ダイナミックス:10 (3)安定感:9  総合得点:28点

■短評(あくまで主観的に書いていますので、あまり気になさらないで結構です)
 課題曲で一部、木管の吹き出し音がやや不安定になったことを除けば、シンクロ性も高く、何よりもダイナミックレンジの広さを感じさせてくれ、特に自由曲のラストのスローになるあたり(たぶん、技術的にも難しいのでは...)は圧巻であった。完成度が高く、感動的ですらあった。

出演順3 湘南高校
◇課題曲:[T]風乃舞(福田洋介作曲) 
◇自由曲:コンサートバンドとジャズアンサンブルのためのラプソディ(ウィリアムズ作曲)

◇管理人独断採点 
(1)シンクロ性:9 (2)ダイナミックス:9 (3)安定感:9  総合得点:27点

■短評(あくまで主観的に書いていますので、あまり気になさらないで結構です)
 実は、ひじょうに評価が難しかった。自由曲でドラムセットとエレキベースが登場したのには、かなり驚かされたし、それでいて演奏に乱れがないあたりは、実際の審査員も戸惑うところではなかったろうか。記憶が正しければ、コントラバスの二人が客席から見て正面を向いていたはず。それって、いいと思う。また、課題曲が北陵とは明らかに聴こえ方が違ったように思えたが、それは指揮者の解釈に違いがあるってことだろうか?それとも、私の気のせいかも...。

出演順4 慶応義塾湘南藤沢高等部
◇課題曲:[T]風乃舞(福田洋介作曲) 
◇自由曲:たなばた(酒井格作曲)

◇管理人独断採点 
(1)シンクロ性:7 (2)ダイナミックス:5 (3)安定感:6  総合得点:18点

■短評(あくまで主観的に書いていますので、あまり気になさらないで結構です)
 他の学校が50名のフルメンバーであるのに対して、慶応は38名(たぶん)でチャレンジしていた。そのせいか、北陵・湘南のあとではダイナミックスが不足していたのは、やや気の毒であった。B部門に参加するには、3名が演奏できないという配慮だったのか...。自由曲の中盤以降は立ち直って演奏していただけに、最初の方での音程・残響音の乱れが惜しかった。

出演順5 茅ヶ崎高校
◇課題曲:[V]祈りの旅(北爪道夫作曲) 
◇自由曲:ラ・ヴァルス〜舞踊詩〜(ラヴェル作曲)

◇管理人独断採点 
(1)シンクロ性:9 (2)ダイナミックス:10 (3)安定感:9  総合得点:28点

■短評(あくまで主観的に書いていますので、あまり気になさらないで結構です)
 昨年、まさかの地区予選落ちを経験して、部員たちが相当燃えており、課題曲も敢えて難しいものを選んだように思えた。その課題曲の出だしで吹き出し音のちょっとした乱れや、テンポが速くなるところでのフルート(たぶん)のシンクロ性が少し欠けたところを除いては、実に素晴らしかった。自由曲も易しくないものだと思われるが、4本のコントラバスのシンクロ性が高く、低音部がしっかりとしている印象で、特に出だしの抑え目のところでは、まるで海の中にいるようなイメージを醸し出していた。

出演順6 日本大学藤沢高校
◇課題曲:[W]鳥たちの神話(藤井修作曲) 
◇自由曲:バレー音楽「パリの喜び」より

◇管理人独断採点 
 日大藤沢のメンバーの皆さん、ごめんなさい。聴けませんでした。

高校A部門 審査結果(本当の審査員の方々によるものです)
 
◇金賞・・・茅ヶ崎北陵、湘南、茅ヶ崎

  上記3校のうち、北陵・茅ヶ崎が県大会出場

◇銀賞・・・湘南学園


◇銅賞・・・慶応藤沢、日大藤沢
 
 県大会へ出場する北陵・茅高の皆さん、この暑い中、さらに練習を積み、完成度の高い演奏をしてきて下さいね。冷房の効いていない教室や音楽室は、ある意味で地獄でしょうが、そんな夏はいい思い出にもなりますよ。

 それにしても、トーシローの私が採点したものと、審査員の方々が採点した結果が、著しく違うものでなくてよかったです。実は「アンサンブル・コンテスト」の時は、私の採点した上位3チームのうち、1つしか県大会へ出られませんでした。耳が腐っているのかとも思いましたが、やや自信を回復しました。
(かと言って、B部門でもうまくいくとは限りませんが)

 明日はB部門。自由曲のみの、まさしく一発勝負ですね。調子に乗って、また独断的採点を挙行する予定です。素晴らしい演奏を期待しています。

2004.7.28深夜 by 管理人
   
左)県大会出場を決めて、肩を組んで祝う北陵高校の部員たち 中・右)終了した頃にはすっかり陽が傾いている

A部門 ちょっとだけインタビュー
 
北陵高校顧問&指揮 丸山透先生
 
 力強い演奏で、昨年に続き、県大会出場を決めた北陵高校の「熱きコンダクター」丸山透先生。いつも情報を頂いて、ありがとうございます。

Q:本日の演奏の出来はいかがでしたか?
A:普段通りですね。
 

Q:定演からコンクールにかけて、特に取り組んだ事はありますか?
A:基本練習の繰り返しです。こちらからお願いしなくても、「あそこ頑張っている」という事で、プロの方々が技術指導にいらして下さる。僕は技術指導は出来ない人間ですから。全パートにプロの方がいらして下さいました。生徒がちゃんと吸収して、教わった通りに演奏する事が、教えて下さった方への感謝になると思います。

Q:昨年と較べていかがでしたか?
A:集中力が良かったです。3年生が半分は残っているので、1番良かった。A部門に1年生が1人もいないのは初めてです。

Q:中学生へのメッセージが御座いましたらお願いします。
A:曲を吹きたい気持ちはわかりますが、とにかく基礎練習です。遠回りですが、それが1番です。「音を見極める」事です。(部員には)プロの方の綺麗な音を耳元で聴いて吹かせました。「綺麗な音とはこういう音なのか」という事がわかります。北陵にはプロの方が指導にいらして下さっているので、ぜひ遊びに来て欲しいです。
 

北陵高校部長・小島卓雄くん(2年)
 いやぁ、生徒たちの声もいろいろと聞きたかったのですが、どうにか北陵部長の小島くんが生け贄として捕まってくれました。県大会出場おめでとう!

Q:おめでとうございます。本日の出来はいかがでしたか?
A:全力で出来たと思います。満足しています。

Q:コンクールでの目標は?
A:賞を狙うのでなく、心に残るような演奏をする事です。

Q:吹奏楽部に入って良かったことは?
A:吹き終わった時に、「吹いたんだなぁ」という感じがいいです。
(とても良い笑顔で答えてくれました。)

Q:吹奏楽をやっている中学生へのメッセージをお願いします。
A:楽しみながら頑張って欲しいです。
 

湘南高校指揮者 小澤篤さん
 
 以前、当「部活.ネット」へメールを頂いたことがありました。やっとお話しする機会に恵まれました。

 小澤さんは音楽が仕事。打楽器演奏と指揮で、国内外を飛び歩いています。
 
Q:今日の出来はいかがでしたか?
A:目標を「本番を楽しもう」という事に置いていました。少し硬くはなったけれども、楽しく出来たと思います。成績よりもお客さんに楽しんで戴けるよう努力して来ました。

Q:定演からコンクールにかけて、特に取り組んだ事はありますか?
A:6月の文化祭で3年生が引退しました。同じ6月にディズニーランドで演奏しました。オーディションを受けて受かると演奏させてくれるんです。ミュージックフェスティバルプログラムといいます。毎年これに受かっています。
  ですから、1カ月前に初めてコンクールの曲に手をつけました。6月後半になってからです。3年生がいない新体制になって、今日が初めての演奏です。お客さんがびっくりする曲、湘南高校らしい曲という事を心掛けています。


Q:「湘南高校らしい」というのは?湘南高校というと、「知的」というイメージですが・・・。
A:全然違います!サービス精神旺盛で、お客さんをアッと驚かせる演奏です。昨年はアニメ、今年はジャズでした。僕自身、湘南高校を離れても、来て下さったお客さんに喜んで戴きたいというのが1番です。

Q:中学生へのメッセージが御座いましたらお願いします。
A:どうせやるなら、ステージで思い切りカッコつけて下さい。
 
茅ヶ崎高校指揮 伊藤寛隆さん
 
 ご存知、カリスマ・伊藤。演奏直後だったためか、ちょっとお疲れのご様子。

  いずれにしても、昨年の屈辱を繰り返すことなく、見事県大会への出場を射止めたのはさすがです。

 

Q:課題曲は難しい(技術的に)ようにも思えましたが、選曲は生徒たちですか?
A:ええ。音楽的な曲だから、ということで。

Q:昨年の予選敗退ということから、春の定演では「挑戦」ということをテーマにされていましたが、今回の自由曲の選定にもそういったことが関係していましたか?
A:いいえ、そういうことはなかったですね。あくまで、音楽としてよいものを、というスタンスです。

Q:今日の演奏の出来はどうだったでしょうか?
A:まだまだですね。これで県大会・関東大会まで行ければ、練り上げる時間もありますから、少しはよくなると思いますが。

Q:やはり、目指すは関東大会、ということで?
A:そうですね。生徒たちは行きたがっていますね。

Q:ありがとうございました。明日のB部門も頑張って下さい。


 
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管理人、予想外れる
 
 今日はついに雨になってしまった。記念撮影が文化会館の階段で行われることになり、暗い、且つ、逆光という悪条件になった。それがちょっぴり惜しい。
(おっ、初手から、写真のデキが悪いことへの言い訳か?)

 さて、昨日のA部門で県大会出場校をピタリと当てた私・管理人は、本日も調子に乗って、自ら採点してみる、という攻撃に出た。

 しかも、本日はわざわざ採点表を作り、得点記入欄とコメント記入欄をつけた用紙をプリントアウトして会場に持ち込むという周到さであった。意気込みは買ってもらいたいもんだ。

 さらに、事前に寒川高校指揮の岡田寛昭さんに「聴くなら審査員席のそばがいいですよ」と教わっていたので、2階中央に設置された審査員席の隣にピタリと座り、呼吸を整え、生まれて40数年で最高に耳を澄ませて聴いてみた。
(こんなことは、初恋を告白した時に、相手の返事を待つ瞬間以来だ)

 実は、途中、思わず涙がこぼれてしまったシーンがあったのだが、それは後述する。

 結論から言うと、私が上位3校に並べたチームのうち、1つは県大会に出場できないことになった。つまり、審査員の皆さんと意見(というほど大袈裟なもんじゃねえか)が食い違ったことになる。

 考えてみれば、それも当然のことかもしれない。彼らはプロであり、私は列記としたトーシローだ。3つのうち2つ当てた(まあ、競馬や競輪ではないのだが)のは立派かも。自分を誉めてあげたい。
(なぜなら、誰も誉めてくれないからだ)

 それにしても、結果発表の時の各学校の狂乱ぶりは、なかなかスゴイものがあった。結果はプログラム順に発表されてゆくわけであるが、プレゼンテーターの山口茂先生(赤羽根中学)が

 「き」
んしょう

 と言っただけで、会場の一角に集まっている各高校の部員たちが、あとの音をほとんど掻き消すような絶叫。それはまるで、競技かるたの会場で、上の句の最初の一音が発せられた瞬間に、あちこちの対戦場でバラバラと札が飛び散ってゆくかの如くであった。その反射神経をもっと有効に使う手立てがないものか、ちょっとだけ真剣に考えたらどうだろう。

 では、以下に管理人独断採点を含め、紹介させてもらうが、A部門に較べて、相対的に点数が低いと感じられるのは、3番目に登場した寒川高校まで、私なりの「基準」が定まらなかったことに起因する。A部門よりヘタレであったわけではないので、悪しからず。

 また、B部門については、ステージに上がった人数(そのうちの何人が男子か、ということも)と、編成上の特徴が感じられるものについては書き留めてみた。

出演順1 アレセイア湘南高校
◇演奏曲:ラプソディック・エピソード
◇参加人数:17名(うち男子0名)

◇管理人独断採点 
(1)シンクロ性:6 (2)ダイナミックス:5 (3)安定感:4  総合得点:15点

■短評(あくまで主観的に書いていますので、あまり気になさらないで結構です)
 人数が少ないため、劇的な音量変化に乏しかったのは致し方あるまい。音程・吹き出し音等、不安定要素がなかったと言えば嘘になるが、シンクロ性は比較的高く、ひたむきさを感じる演奏であった。

出演順2 県立藤沢高校
◇演奏曲:セレブレイション
◇参加人数:27名(うち男子0名)

◇管理人独断採点 
(1)シンクロ性:6 (2)ダイナミックス:6 (3)安定感:6  総合得点:18点

■短評(あくまで主観的に書いていますので、あまり気になさらないで結構です)
 始まり部分でパーカッションがやや走った感があり、裏で鳴っている木管にもやや不安定さがあった。演奏が進むにつれ、硬さが取れたのか、音量バランスがよくなり、テーマ(?)部分は楽しく聴けた。また、ラストの残響音はよかった。

出演順3 寒川高校
◇演奏曲:ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス
◇参加人数:29名(うち男子6名)

◇管理人独断採点 
(1)シンクロ性:9 (2)ダイナミックス:9 (3)安定感:8  総合得点:26点

■短評(あくまで主観的に書いていますので、あまり気になさらないで結構です)
 ピアノで始まる出だしが印象に残る。そこで木管がやや乱れ、ヒヤリとしたが、すぐに立ち直り、展開するところではパーカッションが巧くリードしていた。名前がわからないが、シンセサイザーで作ったような音が出る鉄琴のような楽器(う〜、無知でスンマセン)など、打楽器がアクセントをつける絵画的な曲で、素直に感動できるものだった。

出演順4 茅ヶ崎西浜高校
◇演奏曲:スロンナティースカの声
◇参加人数:25名(うち男子6名)

◇管理人独断採点 
(1)シンクロ性:7 (2)ダイナミックス:7 (3)安定感:6  総合得点:20点

■短評(あくまで主観的に書いていますので、あまり気になさらないで結構です)
 6人を配した打楽器でのイントロ部分はかなり印象的。フルート、クラリネット(たぶん)のソロでシンクロ性に欠けるきらいもあったのが残念。低音部がもっと前に出て、ダイナミックレンジがもっと広がるといいかも。

出演順5 茅ヶ崎高校
◇演奏曲:稲穂の波
◇参加人数:23名(うち男子5名)

◇管理人独断採点 
(1)シンクロ性:8 (2)ダイナミックス:8 (3)安定感:7  総合得点:23点

■短評(あくまで主観的に書いていますので、あまり気になさらないで結構です)
 出だしの金管がやや不安定な感があったが、中盤から高いシンクロ性で盛り上がり、強弱のコントラストをつけようとしているのが伝わる演奏であった。静かなラストは印象的であったが、打楽器と管楽器のチューニングはピタリと合っていたのだろうか?何となく残響音に違和感が...。でも、私はトーシローですので、責任は持てません...。

出演順6 鵠沼高校
◇演奏曲:ラプソディック・エピソード
◇参加人数:35名(うち男子0名)

◇管理人独断採点 
(1)シンクロ性:6 (2)ダイナミックス:7 (3)安定感:6  総合得点:19点

■短評(あくまで主観的に書いていますので、あまり気になさらないで結構です)
 演奏とは関係ないのだが、服が2種類だったのはどういう意図だったのかなぁ。学年が違うってこと?パート別にもなっていなかったので、ちょっと不思議だった。演奏の方は、強弱のコントラストが弱く、音切れがやや悪いように思えた。始まりの打楽器・トランペットがよかっただけに惜しまれる。

出演順7 大清水高校
◇演奏曲:エスタンシアより T
◇参加人数:7名(うち男子4名)

◇管理人独断採点 
(1)シンクロ性:4 (2)ダイナミックス:4 (3)安定感:4  総合得点:12点

■短評(あくまで主観的に書いていますので、あまり気になさらないで結構です)
 彼らがステージに上がる前に、次々とステージ上の椅子が片付けられてゆく様を見て、「もしや休憩?」などと思ったら、僅か7人での演奏だと判明。しかも、プログラムには指揮者の名が載っているが、指揮者も登場しない。アンサンブルをやるかのように、ステージ中央で寄り添うように彼らが楽器を構えた時、不覚にも涙を禁じ得なかった。
 一体何が起こったのか?勿論、私にわかるはずもないし、もとからこの7人での演奏を予定していたのかもしれないが、さすがに演奏は苦しいものとなった。打楽器2人、トランペット2人、トロンボーン2人、サックス1人。管楽器はずっと吹き続けなければならず、辛そうであったし、正直言って、上手な演奏とは言えないものであった。
 しかし、彼らは辞退することなく、7人でステージに上がった。勇気もいったはずだ。私はそれだけでも賞賛を送りたいと思う。もし、部員が枯渇しているのであれば、増やすように頑張ろう。心の中で、私は彼らにメッセージを送り続けた。
 寒川高校にも、部員わずか6名、という「冬の時代」があった。ほんの6年前のことである。そこから這い上がって、昨年は県大会出場の栄誉に浴したことを君たちには知っていて欲しい。しかも、寒高吹奏楽部を立て直したのは、君たちの高校の先輩である岡田寛昭さんだ。きっと君たちにも出来る!

出演順8 鶴嶺高校
◇演奏曲:ミュージカル「ミス・サイゴン」より
◇参加人数:33名(うち男子2名)

◇管理人独断採点 
(1)シンクロ性:8 (2)ダイナミックス:8 (3)安定感:8  総合得点:24点

■短評(あくまで主観的に書いていますので、あまり気になさらないで結構です)
 ピアノから始まり、徐々に音が重なってゆく序章はシンクロ性が高く、また、1フレーズの中でのコントラストが出ていた。中盤のバスドラムからの盛り上がりは感動的であった。クラリネットにやや不安が感じられたが、打楽器を前面に打ち出した演奏は、少なくとも私の好みであった。

出演順9 茅ヶ崎北陵高校
◇演奏曲:勇敢な飛行
◇参加人数:35名(うち男子7名)

◇管理人独断採点 
(1)シンクロ性:8 (2)ダイナミックス:9 (3)安定感:8  総合得点:25点

■短評(あくまで主観的に書いていますので、あまり気になさらないで結構です)
 出だしのクラリネットに安定感があり、展開部の金管も印象的。ブレイクに於ける止まりのシンクロ性、安定感も高く、低音もほどよく聴こえる。金管だけになったところでやや演奏が乱れたことを除けば、ラストも木管から始まる流れが澱みなく気持ちのいい残響であった。

出演順10 藤沢西高校
◇演奏曲:新しい地平線の上に
◇参加人数:35名(うち男子4名)

◇管理人独断採点 
(1)シンクロ性:8 (2)ダイナミックス:7 (3)安定感:8  総合得点:23点

■短評(あくまで主観的に書いていますので、あまり気になさらないで結構です)
 評価が難しい演奏であった。途中で完全なブレイクが2回入り、ブレイク後は全く違う曲のように感じられた(それが作曲者の意図なのかもしれないが)。そのうち、第一部(とでも呼べばよいのか?)は扇情的な始まりでワクワク感があり、全体のダイナミックスが下がった時もしっかり吹けていた。トランペットのソロがやや音を外したことを差し引いても、素晴らしかった。また、第三部に相当するところでは、クラリネット軍団が細かいフレーズをシンクロ性高く演奏していたのも印象に残る。問題は第二部に相当する曲での金管の危うさであったが、これは審査員の中でも評価が割れる可能性があると思われた。

高校B部門 審査結果(本当の審査員の方々によるものです)
 
◇金賞・・・寒川、茅ヶ崎、鶴嶺、北陵、藤沢西
  上記5校のうち、寒川・北陵・藤沢西が県大会出場

◇銀賞・・・県立藤沢、西浜、鵠沼

◇銅賞・・・アレセイア、大清水
 
 という結果であった。

 私の予想では、寒川・北陵・鶴嶺が県大会へ出場することになっていた(総合得点の順番で)が、そこに、評価が難しいと思われた藤沢西が入り、鶴嶺が外れた。
(鶴嶺がダメな場合は、茅ヶ崎かとも考えていた。)

 このあたりの違いというのは、明らかに差がある、ということなのか、僅少差で、最後には好みの問題、というレベルのことなのか...。プロとトーシローでは聴くポイントも、おそらくは異なるのだろうから、仕方のないことかもしれないが。

 鶴嶺の部員諸君は、どう思っているのだろうね。また、いずれ聞かせて下さい。

 何しろ、お疲れ様でした。演奏した諸君は、運営を支えた先生方や裏方を手伝った部員の皆に感謝の気持ちを忘れずに。

 それから、県大会へ出場できることになった学校の皆、そこで演奏したくても出来ない人がたくさんいることも覚えていて欲しい。

 この2日間、たっぷりと高校生たちの真摯な演奏を聴かせてもらい、幸せな気持ちになれました。あらためて、音楽って素晴らしい、と痛感します。

 ありがとうございました。
 
2004.7.28深夜 by 管理人

B部門 ちょっとだけインタビュー
 


寒川高校指揮者 岡田寛昭さん
 
 昨年、冬の時代に終止符を打つ「県大会出場」を勝ち取り、今年は「継続」するという難題に立ち向かった寒川高校。そのプレッシャーに潰されることなく、B部門をトップで通過した。

 岡田さんは、西浜中・浜須賀中でも指導しており、いずれの学校も金賞を獲得するという偉業も達成した。

Q:今日の演奏の出来はいかがでしたか?
A:緊張で出だしがバラバラでした。100点満点で50点ですね。その後は非常に良かったです。いい演奏が出来ました。本番でしか出せない音が出たと思います。120点の出来です。

Q:春の定演後コンクールにかけて取り組んだ事は?
A:今の子は精神的に弱いので、「一人じゃない」という精神改革をしました。合奏の回数が多くこなせ、充実していました。

 
Q:昨年と較べていかがですか?
A:昨年初めて県大会に進みました。今年はよその高校が寒川を気にするようになって、「今年の寒川はどうなんだ?」と言われるようになりました。

Q:追われる立場になったという事ですね?
A:はい。生徒にはそれがプレッシャーだったようです。

Q:中学生へのメッセージが御座いましたらお願いします。
A:吹奏楽が好きな子には、中学でやめないで高校でも続けて欲しいです。上手い・下手関係なく、部活はいいです。3年間続けられれば、必ず何かを得られます。

Q:本当にそうですね。今当たり前のように与えられている機会が、中学・高校時代だからこそなのだという事は、大人にならないと分からないでしょうけれども、続けて欲しいですね。
A:ええ、そうです。

 審査結果発表後にも、お話を聞くことができました。

Q:念願の2年連続県大会出場となりましたが、今年の寒高サウンドというのはどう表せるでしょうか?
A:この春卒業した6人がかなり強力なメンバーだったので、心配もしましたが、却って結束力が固くなりましたね。皆、ひじょうによく練習しますよ。
(ちなみに、私が春の定演で「背中が痺れるような感動」を受けた、フルートの猿橋さんは、音大に進んで演奏を続けているそうです。それを聞いて安心しました。これからも頑張って吹き続けて欲しいものです。)

Q:県大会に向けて、特に力を入れて取り組みたいのはどういったところでしょうか?
A:もう、とにかく徹底して基礎練習ですね。いい演奏をしてきたいと思います。

 ありがとうございました。私の独断採点でも寒川がトップでした。本当におめでとうございます。

 ちなみに、湘南吹奏楽連盟理事長でもある丸山透先生が、「岡田さんのような人こそが本当の指導者ですよ。素人同然の子に、ドレミから教えて県大会に出られるまでに育てましたから。教員ではないのに、よくぞあそこまで、と思います」と語っていましたよ。

 これからも寒川高校に吹奏楽部あり、という気持ちで頑張って下さいね。それとね、この場を借りてお願いがあります。

 岡田さんの母校・大清水高校の吹奏楽部が、何となくですが、危機的な状況にあるように思えます。何とか立て直しに一役買って頂ければ、と思います。
(私の思い違いならよいのですが...)
 

茅ヶ崎高校指揮者 内川裕子さん
 
 茅ヶ崎高校B部門の指揮は、カリスマ・伊藤寛隆氏の薫陶を受ける内川裕子さん。春の定演でも指揮されていたのを覚えています。

 いよいよ次世代のコンダクター登場です。
Q:今日の学年構成は?
A:全員1年生です。

Q:演奏の出来はいかがでしたか?
A:すごく良かったです。初心者が多く、半分くらいです。それでここまで出来れば十分です。

Q:全員1年生ということは、入学してからコンクールのまで間という事になりますが、特に取り組んだ事はありますか?
A:やはり基礎練習ですね。ちゃんとした楽器の吹き方ですね。それと、皆で一つの曲を作るという気持ち・考えです。「自分たちで作らないと曲はできない」「音を出して触れ合って作る」という事ですね。彼らは十分出来ました。結果はどうあれ。

Q:昨年と較べていかがですか?
A:昨年とはキャラが違います。昨年はいい所もあり、悪い所もありました。今年は初心者が多いだけに、皆で頑張ろうという気持ちが強かったと思います。

Q:中学生へのメッセージが御座いましたらお願いします。
A:ぜひ茅高に来て下さい。

 ありがとうございました。1年生だけでの金賞は立派でした。
 
鶴嶺高校顧問&指揮 堀内昌之先生
 
Q:今日の演奏の出来はいかがでしたか?
A:楽しくやることが出来ました。2年生が練習を自分でやるようになったので、僕は後からついて行くだけです。僕自身も楽しくやることが出来ました。

Q:今日の学年構成を教えて戴けますか?
A:A部門との兼ね合いで、3年生はゼロです。2年生と1年生が半々位です。

Q:コンクールにかけて取り組んだ事はありますか?
A:特に新しく取り組んだ事は無いです。普通の部活をやっていました。

Q:昨年と較べていかがですか?
A:練習が自主的に出来るようになったので、密度が高いです。顧問の手を離れて充分出来ます。
 
 ありがとうございました。私の採点では3位だったのですが...。でも、金賞は胸を張っていいですよね?
 
西浜高校顧問&指揮 渡邊良子先生
 
 密かに「金賞」狙いだったのでは、というのが私の予想でした。事前のお便りで

 今年の曲もおもしろいですよ。「スロンナティースカ」はインデアンたちがそう呼んでいる川のことです。 この川の声を我々が楽器で表現します。うまくステージから溢れ出し、客席を流れることができたら・・・・

 という言葉も頂いていました。

Q:今日の演奏はどうでしたか?
A:練習通りですねえ。ステージでは力が出ますから。

Q:結果には満足されていないですよね?
A:ええ。銀賞でも、精一杯練り上げてのものなら満足もできますが、まだまだ足りないところがありますし。

Q:どのあたりがまだ足りないのでしょう?
A:まず、練習にちゃんと皆出て来いよ、ってところからですね。

Q:でも、今年はまた新入部員が増えたんですよね?
A:10人入りました。徐々に体制は整いつつあります。また、敬老の日にここ(市民文化会館)で演奏がありますので、よかったらおいで下さい。

Q:ありがとうございます。これからの活躍を期待していますね。
 
北陵高校顧問&指揮 丸山透先生
 


 演奏直後にまず北陵顧問としてのお話を聞かせて頂きました。いつもながら、熱く、含蓄のある言葉が飛び出します。

Q:全員1年生だそうですね。演奏の出来はいかがでしたか?
A:上出来ですね。

Q:全員経験者ですか?
A:そんな事ありません。初心者もいます。初心者でも出来なければ怒りますし、経験者でも上手ければ褒めます。初心者と経験者は同じ扱いです。初心者だから下手で当たり前、経験者だから上手という考えはおかしいと思います。

Q:入学後初めての本番という事になりますよね。コンクールにかけて取り組んだ事は?

A:ビリで当たり前なんです。よそは3年生が残っていますから。(全員1年生の)茅高と北陵がビリを争って当たり前なんです。失敗しても失うものは何も無いです。来年に繋がります。昨日はAの指揮をしましたが、BにはBにしかない楽しさがあります。Bは毎日どんどん上手くなっていきます。だから人に任せる気はありません。

Q:先生は(A部門とB部門の)両方で大変ですね。
A:大変だと思った事はありません。よく人に「大変ですね。」と言われますが、大変ならばやりません。とっくに誰かに任せています。Aは突き詰めたところまでやりますが、BにはBにしかない楽しさがあります。(再度、キッパリ!)

Q:先生のお話には哲学がありますね。
A:いや、哲学なんて無いですよ。でも、こんな人間だから100人もついて来てくれるんでしょう。

 さらに、B部門でも県大会出場を勝ち取り、湘南吹奏楽連盟の理事長としての大役も終わったあと、ちょっとリラックスした中で、再度お話を伺いました。

Q:湘南吹奏楽連盟理事長としてのお話を最初に伺います。レベル的なものは、やはり上がってきていると言えるでしょうか?
A:それは感じますね。茅ヶ崎高校を目標にして、他校が頑張った結果としてこうなったと思います。

Q:その茅高も昨年は予選敗退となりました。昨日も彼らにちょっとした力みを感じましたが、先生から見ていていかがだったでしょうか?
A: プロじゃないんだから、不安があるのは当然です。そこで力を発揮できるかどうかが長年培った経験というものでしょうね。茅高も不安はあったでしょうが、それを乗り越えたわけです。本当によかったです。

Q:コンクールというのは、吹奏楽部員たちにとっては、どういった位置づけになるものでしょうか?
A:吹奏楽も、自分たちの出来る精一杯の事をやりましょう、そういう意味では運動部と同じです。普段優劣をつけてもらえないので、コンクールはすごく大事です。いい意味での優劣ですね。

Q:昨日のA部門で、慶応藤沢高校が38人で挑みましたが、やはり、B部門ではなく、Aで出てよかったのでしょうか?
A:35名を一人でも超えたなら、Aで演奏するのがいいでしょう。Aに出て、ステージ上でボロボロになってみるべきですね。以前、19人でA部門に出た学校もありますよ。

Q:今日の大清水が7人という件についてはいかがでしょう?
A:たとえ3人・4人でも、「吹奏楽部」として頑張っているところもある。何とか大人が環境を整えてやって、意欲を大事にしなければいけない。上手い・下手でなく、音楽を好きならやらせてあげる、ということが大切ですね。

Q:すんません、私事のようで恐縮ですが、私の採点では、今日のB部門は鶴嶺が3位だったのですが、審査結果では県大会への出場は成りませんでした。何か原因があったのでしょうか?
A:技術的な問題ではないでしょうね。バランス的に打楽器が大きすぎたところがあったからでしょう。管については、茅ヶ崎でも1〜2でしょう。

Q:それでは少々、北陵の話もお伺いします。今日のB部門は全員1年生とのことでしたが、それでもステージに立てなかった子もいたわけですよね?
A:1年生が2人余っています。仕方ないですね。35人までしか出れないのですから。ただ、入学してすぐにコンクールに出させるのは・・・というのではなく、コンクールを経験させなくてはいけない。中学生はともかく、高校生ならドレミファくらい出来ますから、1年でも経験させるべきです。表現は悪いですが、たとえ舞台の上でボロボロになっても。

Q:今年の1年生たちはどうですか?
A:今日の誘導開始の時刻に4〜5人遅れて来ました。1年生ならではの甘さですね。本番前なので怒りませんでしたが、練習なら半殺しです。本番の時は怒りません。一番辛いのは本人ですから。悔しくないヤツはやめた方がいい。

Q:県大会へ向けての抱負などを。
A:県へ行けない子たちへの責任を感じます。嬉しい事ではあるが、代表に選ばれる事の責任は重いです。しっかりと練習を積みたいと思いますね。

Q:では、また学校での練習に顔を出しますね。他の部活も見たいですし。
A:そうですか。北陵吹奏楽部のライバルは北陵女子バスケです。まあ、バスケットも見に来て下さい。岡崎〜、覚悟しとけ!

 最後は女子バスケット部顧問の岡崎先生への挑戦状という、恐ろしい展開になりましたが、どうにか吹奏楽コンクールも終わりました。本当にお疲れ様でした。

 あの〜、読者の皆さん、勘違いされるといけないので、管理人の方から、一応補填させて頂くとですね、丸山先生と岡崎先生は、以前、荏田高校でも一緒に勤務されていて、ご両人ともに生徒への学習指導・部活指導に燃えるタイプでございまして、以来、仲良く(?)ライバル関係にあるわけでございます。

 当「部活.ネット」に『これからは女子バスケが期待できますよ』とご紹介下さったのも、実は丸山先生でした。お陰で私も岡崎先生と知り合えたわけです。

 あ、でも、私の見ていない所では、もしかしたら、本当に「おらぁ、おかざき〜」とか言っているかもしれません。それを確かめる勇気は、残念ながら持ち合わせていませんので、ご了承下さい。